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投稿日: 2023.06.23 19:03
更新日: 2023.06.23 19:05

2度のセーフティカー出動にも動じず、ルーベンスの愛息“ドゥドゥ”が11戦目の初優勝/SCB第4戦


海外レース他 | 2度のセーフティカー出動にも動じず、ルーベンスの愛息“ドゥドゥ”が11戦目の初優勝/SCB第4戦

 続いて前戦トップ10リバースで争われた同じく30分+1ラップ勝負のレース2は、最初の数周こそポール発進のギリェルメ・サラス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)がリードを維持したものの、その後は2回のセーフティカー出動がレースを動かすことに。

 最初はセルジオ・ヒメネス(スクーデリア・キアレリ/トヨタ・カローラ)とリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)が絡んだアクシデントで。続いて王者ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)がコース上のバトルでダメージを負い、トラックサイドにマシンを止めたことから、勝負は再度の仕切り直しに。

 リスタート以降はルーカス・フォレスティ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)が首位に立ち、セザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)とブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)が追う展開に変わると、全員が義務ピットを消化した段階で予想外にも“ドゥドゥ・バリチェロ”がトップを奪い、シリーズ5冠の“帝王”カカ・ブエノ(KTF Sports/シボレー・クルーズ)が追随する構図となる。

 若干21歳の実質的ルーキーはここから優れたパフォーマンスを発揮し、後続の大先輩を相手にマージンをコントロール。帝王ブエノとラファエル鈴木(ポール・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)を退け、自身が2021年にSCBデビューを飾った地でセンセーショナルな勝利を収めた。

「僕はとても幸せだ。こんな僕を信じてくれた皆に感謝しているし、才能を信じ、ここに連れてくるために一生懸命に働いてくれたチーム代表や、父にも感謝を捧げたい」と、前戦のクラッシュ後には腎臓結石の診断で外科手術を受け、この週末に向けては悪天候のためフライトがキャンセルされたことから、陸路10時間を掛けて現地入りしていたドゥドゥ。

「僕は勝利に向け戦略を加速させ、機能させることに完全に集中していた。 同時にたくさんのことを考えなければならないし震えはしなかったけど、最終ラップになって初めて自分が勝てると悟った。もし何カ月か前に、誰かがここでのレースに勝つだろうと僕に言ったなら、僕自身がそれを信じなかっただろうね(笑)」

 その息子がゴールラインを越える前から、すでに感情的になっていたディフェンディングチャンピオンは、頼もしいチームメイトの勝利が確定した瞬間、喜びを爆発させた。

「彼には多くの価値があるし、そのためにあらゆるものと戦ってきた。僕もここで一緒に泣いていられるなんて……本当に幸せだ」と男泣きのルーベンス。

 ファンにとっても、バリチェロ家にとっても感動的な週末を終え、レース1で3位表彰台、レース2で8位を記録した2021年チャンピオンのガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)が新たな選手権リーダーに立ち、先行を許したチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)と僚友ラモスが追う展開となった2023年のSCBシーズン。続く第5戦はふたたびサンパウロに戻り、7月7~9日のインテルラゴスで争われる。

R2では、王者ルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)が2回目のSCを誘発する
そのアクシデントには同じトヨタ陣営のトニー・カナーン(Texaco Racing/トヨタ・カローラ)らも巻き込まれ、マティアス・ロッシ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)も11位止まりと厳しい展開に
その状況で勝ち切ったエドゥアルド・バリチェロ(Full Time Sports/トヨタ・カローラ)。親子二代で勝利を挙げた6番目のファミリーとなった


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