リスタートでスローとなったブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)のあおりを受け、ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)がクラッシュを喫したステージ2はデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が制し、迎えたファイナルステージ。
最終ストップでの迅速な作業速度にも助けられリーダーに返り咲いたチャスティンは、トゥルーエクスJr.とハムリンのJGR艦隊を引き連れ行く手を阻むトラフィック攻略に挑むと、最後の34周を含む300周中99周でリードラップを刻んでいく。
「あとはリードを奪うだけだったが、そこで一旦勢いを失うとルーズになって、コーナー脱出でスピードを持ち越すことが難しくなった。あとほんの少しのスピードが必要だったが、全体的には……良い夜だったよ」と、2位に入って選手権首位の座を固めたトゥルーエクスJr.が語れば、3位に続いた“宿敵”ハムリンも「今日は3位のマシンがあった、ということ。19号車(トゥルーエクスJr.)は幾分マシだったと思うが、明らかに最後は1号車が力強く前に出られた。勝利を目指すのに充分な速さのクルマを持っていなかった、ということさ」と完敗宣言。今季序盤には未勝利ながらシリーズリーダーも経験した30歳が、見事なポール・トゥ・ウインを飾ってみせた。
「信じられないよ! 僕らを応援してくれる皆、故郷の家族、農業業界、そしてジャスティン・マークスが擁立するすべての人々を信頼している」と、自身の出身地フロリダ州アルバの田舎町で、何世代にもわたってスイカ農場を営んでいた家族の歴史も念頭に、改めて完全勝利の喜びを語ったチャスティン。
昨季の“壁走り”を筆頭に数多くの遺恨を呼ぶ接触アクシデントを誘発するなど、これまで幾度も批判の矢面に立たされてきたチャスティンだが、それでも「信頼できる人々とともに、プロセスを信頼して欲しい」と、次世代に向けてのメッセージも発した。
「ここにいるすべての小さな子どもたち。世界中の誰でも、自分が批判されることはあるし、それが競争相手なら誰でもそうするだろう。彼らは君を打ち負かそうとするし、君はそれを信じ始めるかもしれない。でも君たちは何でもできる。たくさん本を読み、信頼し尊敬できる“目上”の賢い人々の計画を信じ、いつでも立ち上がってそれに取り組み続けて欲しい」と呼び掛けたチャスティン。
「僕もここまでのすべてを通じて多くの反省をしてきたが、そんな僕を信じてくれたグループがあり、彼らは僕を決して落ち込ませたりはしなかった。僕らの戦いは……本当に信じられないほどさ!」
同じく併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第15戦『テネシー・ラタリー250』は、最後の20周をリードしたA.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)が今季オーバル初勝利を記録。こちらも併催のNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第13戦『ラッキリー・ルーフィング200』は、20歳のカーソン・ホセヴァー(ニース・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が3台による“フォト・フィニッシュ”を制し、キャリア2勝目を獲得する結果に。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)の16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は、予選17番手からすぐさまトップ10圏内に進出し、上位を争う好レースを披露して8位フィニッシュを決めている。



