更新日: 2023.07.03 21:27
インディカー第9戦ミド・オハイオ/パロウの勢い止まず3連勝。先頭集団のピットミスを尻目に圧倒的ペースで勝利を飾る
5.0242秒の差で2位となったディクソンは、「今日は幾つか残念な点があった。最初のピットストップで燃料補給のトラブルがあったんだ。もしそれがなければ、ハータの前に出てパロウと勝負ができていたかもしれない」と語った。
若きチームメイトについては、「今のパロウはあらゆる面で強くなったと言える。予選では確実に速いし、レースでのペースも同様。さらに作戦面も万全だ。チームクルーたちも含め、パッケージが本当に強力になっているんだ」
「レースで強いというのは、常にとても多くの要素が絡み合って実現されるが、今の彼のようにスピードを備えていることは、とても大きな意味を持つ。今日の彼は4番手スタートだったが、予選で彼より速かった3人より前でフィニッシュした。それは彼が本当に素晴らしい仕事をやり切ったからだ」と称賛する。
しかし、ランキング2位となったディクソンはまだタイトルを諦めていない様子で、「何だって起こり得る。それがインディカーのチャンピオンシップだ。完全にアウトになるまでまだ望みはある。それはもう何度も見て来たことだ。だから自分たちは全力でプッシュし続ける」と、自身7度目のタイトルにかける意欲を語った。
そして、ディクソンに続く3位となったのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だ。7番手スタートから着々と挽回し表彰台に到達したパワーは、「今日はこれが精一杯だった。自分たちは速かったし、堅実に戦い切った。ミスはなかった。スタートで順位を上げることができていたら……とも思うが、今日はパロウが本当に速かった」と話した。
「我々全員の目標はパロウを倒すことだ。しかし、それを本当に果たすことはできるのか……。タイトル争いで彼を下すのは、我々にとって非常に難しいチャレンジとなりそうだ。彼はあらゆる点でトップにある。フューエルセーブでもタイヤの摩耗管理でも、イン&アウトラップも、予選も……全部良いのだから」と、もはやお手上げ状態であることを吐露するパワー。
今回のレースを終え、パワーのポイントランキングは151点差の7位。パロウが4勝しているのに対し、パワーはいまだ勝利がない。
2戦連続のポールポジションスタートとなったハータは、2回目のピットストップに飛び込むところでピットレーン速度違反を冒し、ドライブスルーペナルティを受けて勝機を失った。また、2番手スタートのレイホールは1回目のピットストップで燃料補給、2回目はタイヤ交換で時間を要し、7位でのフィニッシュが精一杯となった。
今回のふたりは、マシンとドライバーともにそれ以上のリザルトを得る力が備わっていたように見えていたが、ピットタイミングで起きたミスによって、優勝はおろか表彰台さえも失ってしまった。
次戦第10戦は、カナダのトロント市街地で7月15~16日に行われる。昨年のレースはディクソンが優勝し、パロウは6位だったが、バンピーでリスキーなストリートコースでパロウはどんな走りを見せるのか。