更新日: 2023.07.11 17:04
雨天短縮の1.5マイルオーバル戦は好機を捉えたウイリアム・バイロンが今季4勝目/NASCAR第19戦
その2周後となる167周目には、ハイラインからA.J.アルメンディンガー(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)を抜き去り首位浮上に成功すると、178周目にライアン・プリース(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)やダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)、リッキー・ステンハウスJr.(JTGドアティ・レーシング/シボレー・カマロ)らが絡んだ、この日7回目のコーションでもステイアウトを決め首位をキープする。
そのまま隊列の先頭を走り続けたバイロンだったが、ここで雨雲が上空に差し掛かり、降雨が強まるなかで185周を終えた現地21時47分にレースは赤旗中断に。そのままピットレーンで待機したカップカーの車列はふたたびオーバルに出ることはなく、そのままNASCARはレース終了を宣言。この時点で首位にいたバイロンをウイナーに認定し、今季初の4勝ドライバーになるとともに、自身アトランタ2勝目、カップ通算8勝目を手にする結末となった。
「なんてクールな展開だ!」と、自身も驚きを隠せない様子のバイロン。「インフィールドでスピンしてクルマのフロアを破損したり、リードラップを維持しようとしてエプロンの周りを引き摺ったり。僕らはこの一晩でたくさんのことを経験した」と笑ったバイロン。
「その時点ではグリップが足りていないので、トラフィックに戻ったときは本当にイライラした。でも適切なタイミングでピットに呼び戻してくれ、その後はステイアウトする判断を下した。前に出てしまえば大丈夫で、正しい判断でAJをブロックできたよ」
そんな序盤の苦戦にも関わらず、バイロンは直近に再舗装されたオーバルの路面と、導入2年目になるNext-Gen車両とのマッチングが後半戦のハンドリング改善と躍進に繋がったと明かした。
「最高だった。スーパースピードウェイに求められるのはそれだけさ」と続けた25歳のバイロン。
「実は最初のステージは本当に楽しかったし、ボトムラインでもある程度、自由に動くことができた。今はあらゆるコーナーで(スロットルを)リフトするから、パワーが550PSあった昔ながらのレースとは異なっているからね」
「より密集しているけど、それでも問題を処理してドライバーたちは攻撃的な動きをすることができる。今日はラップダウンしていて、終わっていたかもしれないレースを救ってくれたチームに心から感謝している」
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第17戦『アルスコ・ユニフォーム250』は、度重なる延長リスタートの末に初のリードを奪ったジョン-ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)がシーズン3勝目を獲得。
一方、同じ週末にミドオハイオのスポーツカーコースで開催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第14戦『オライリー・オート・パーツ150』は、こちらも大洪水から一転して強い日差しを受けたフィニッシュラインで、コーリー・ハイム(トリコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRDプロ)が結果的にポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾る展開に。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)の16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は、最後の勝負で弾き出されたものの奮闘のトップ10フィニッシュ。自身NASCAR2戦目で初のトラックシリーズ参戦で注目を集めたマルコ・アンドレッティ(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)は19位に終わっている。