一方、このヒートでギリェルメ・サラス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)との攻防を制し、トップ10に食い込んでレース2のリバースポールを得た父ルーベンスだったが、同じく30分+1ラップ勝負に向け5番グリッドから「ロケットスタートが決まった」ゾンタが、あっという間に抜け出して“セナS”までに首位浮上に成功する。
入れ替わりで5番手まで後退したバリチェロに対し、マッサが7番手から3番手へ。さらにピケJr.もその背後に続き、オープニングラップ終了時点で早くもロッシが6番手へと浮上してくる。
同じく6番手発進から2番手へとジャンプアップしたガエターノ・ディ・マウロ(ホットカー・コンペティション/シボレー・クルーズ)も混じえ、オーバーテイクボタンの戦略も活用した首位攻防が繰り広げられるも、経験豊富なゾンタが好ディフェンスでこれを封じていく。
中団での車両火災発生でセーフティカーが介入したあとも、首位を守ったゾンタがこの際の隊列走行で稼いだ燃費分も活用し、最終ラップまで義務ピットを引っ張る戦略でボックスへ。同じ戦略を採用したマッサに先行し、トラックへ復帰することに成功したゾンタがそのままリードを維持し、インテルラゴスでの通算4勝目を飾る結果となった。
「どうかな、カッコ良かったかな?(笑)」と、昨季5月のヴェロチッタ戦以来となる優勝を果たしたゾンタ。
「満タンスタートの議論はあったが、少なめの搭載量で勝負することに賭けた。結局、燃料を入れなかったこととセーフティカーが僕らを助けてくれた。リスクを犯したことが首位フィニッシュの違いを生んだんだから、本当に素晴らしいよ!」
一方、F1時代にはブラジルGPで2勝を挙げているマッサが、レース1での3位に続いて「明らかなシーズンの分水嶺」と語るレース内容で、最終ヒートは真っ向勝負の末にふたたびの2位ポディウム登壇となった。
「今週末の結果は、ここからの後半戦がまったく別の話になることを示しているね。昨日のFPから調子は良さそうだったが、こうして2戦連続で表彰台を得られたのが何よりうれしいよ」と、どこか安堵の表情も浮かべたマッサ。
「一部のドライバーと同じように、燃料搭載量を少なめにする冒険がうまくいった。チームのハードワークはポディウムの価値があるし、シーズン中にさらに表彰台を獲得できるよう戦うつもりだ。インテルラゴスはとても特別で、ここには何か違うものがあるね」
この週末に8位と13位でポイントを重ねたチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)がふたたび選手権首位に返り咲いた2023年SCBシーズンは、続く8月4~6日にサンパウロ内陸部のアウトドロモ・ヴェロチッタで第6戦が争われる。


