翌日曜日には第14戦の予選が行われ、シリーズタイトルを争うデニスとキャシディがデュエル形式の最終バトルで直接対決を演じ、わずか0.071秒の差でデニスがポールポジションを獲得。そして3番手には、前大会ポートランドに続いて速さを披露したノルマン・ナト(ニッサン・フォーミュラEチーム)がつけた。
土曜日に続き、雲ひとつない好天のもとに迎えた第14戦の決勝スタートでは、ポールスタートのデニスがトップを守って1コーナーを駆け抜けていく。
しかし2周目のターン7で、3番手のエバンスがブレーキングで姿勢を乱し、減速しきれず2番手のキャシディに追突してしまうアクシデントが発生。エバンスのマシンはキャシディのマシンに乗り上げそのままバリアにクラッシュし、追突されたキャシディもコーナーを曲がることができずにエスケープゾーンへと退避した。キャシディはその後レースに復帰したが、エバンスはピットにマシンを戻し、レースを終えている。
このクラッシュによりSC導入となったが4周目に再開となり、デニスを先頭とする隊列は、1度目のアタックモードを使用するタイミングを伺いつつも周回を重ねていく。
8周目に首位のデニスは1度目のアタックモードを使用し、2番手ナトもデニスに合わせてアタックモードへ。首位デニスは前日に苦戦したバッテリーマネジメントに注意しながら、2番手に浮上してきたバードの猛攻に耐える周回が続く。

12周目には、ルーカス・ディ・グラッシ(マヒンドラ・レーシング)がターン8でウォールにヒットするアクシデントが発生するも、レースはそのまま続行に。続く13周目にはバードが1度目のアタックモードを使用するためにアクティベートゾーンに進むと、ニッサンのナトが2番手に浮上してくる。
トップのデニスと2番手のナトは、ともに順位をキープしながら2度目のアタックモードを使用してレースは折り返しを迎える。首位デニスに接近したいナトだが、背後から迫るバードに対する防戦を強いられ、デニスはこの間にバッテリーマネジメントに徹する走りにシフトする。

2番手のバトルにも助けられたデニスは、後続とのギャップに注意しながらペースコントロールに専念し、最終的には3.105秒のリードを築いてトップチェッカーを受けた。2位にはバードとのバトルを制したナトが入り、ニッサン勢としては今季初の表彰台獲得に。3位には第13戦で喫したクラッシュの雪辱を晴らすバードが続いた。
ローマE-Prixを終えてのポイントランキングトップは第14戦優勝のデニスとなった。ランキング2位にはキャシディが続くも、第14戦の14位ノーポイントが響き、デニスと24ポイント差をつけられている。フォーミュラEシーズン9の次戦は、7月29~30日にシーズン最後の大会となる第15戦、第16戦ロンドンE-Prixが開催される予定だ。

