そう名前の挙がったベッソーネは、アルゼンチン国内では旧TC2000を皮切りに、シルエット選手権のツーリスモ・カレテッラやGr.N準拠のツーリスモ・ナシオナル、そしてTOP RACE V6など主要カテゴリーでタイトルを獲得してきた“レジェンド”であり、現代のツーリングカー・マイスター大挙輩出の礎を築いたドライバーでもある。
「このプロジェクトが実現してとてもうれしいよ」と、今回はグエリエリ起用を実現させた65歳のベッソーネ。「これは関係者全員による多大な努力の成果であり、グエリエリのような国際的な経験を持つドライバーを惹き付けることができたのは素晴らしいことさ。準備をする時間はあまりないが、ウルグアイのメルセデス・サーキットで開催されるエル・ピナール戦の数日前には、なんとかクルマをシェイクダウンできるだろう」
一方、今季のTCRサウスアメリカですでに4勝を挙げ、堂々のシリーズリーダーに君臨するホンダ陣営スクアドラ・マルティーノ所属のモンテネグロは、イタリアはロンバルディア州にある音楽都市クレルモのサーキットに赴き、新型シビックでの最初のテストセッションを実施した。
期間中はイタリア、JASモータースポーツのエンジニアとともに、同郷の大先輩ですでにTCRワールドツアーでFL5型を走らせるネストール・ジロラミのサポートを受けた若手有望株は、新しいクルマにもすぐに適応し、競争力のあるラップタイムを記録することができたという。
「このテストに招待してくれたJASモータースポーツと“Bebu(ジロラミの愛称)”にとても感謝している。たくさんの作業とミーティングがあり、とても忙しい2日間ではあったけど、それが僕らの将来に大きな期待を与えてくれた」と語ったモンテネグロ。
一方、新型車両の開発も担当したJASモータースポーツのTCRプロジェクトリーダー、マッズ・フィッシャーも「明らかに、イグナシオは世界中のTCR競技において最も若い天性の才能のひとりだ」と、そのパフォーマンスを高く評価した。
「テストを通じて彼は非常に良い仕事をしてくれた。我々は彼がJASファミリーの一員として、南米で確固たる評判を築いていることをうれしく思っている。今後数年間、彼とさらに協力できることを楽しみにしているよ」


