更新日: 2023.08.22 13:26
ウイリアム・バイロンが“ザ・グレン”でロードコース初勝利。今季5勝目に到達/NASCAR第25戦
さらにステージ2ではHMSのエース車両たる9号車にも異変が生じ、エリオットは残り23周の時点で異例の計算ミスによる燃料切れとなり、力なくコース上で停車。静かなレース展開で唯一のコーションを引き起こし、給油のためピットへ引き戻される。リスタート後はラップダウンで復帰したものの、やはり32位までの挽回が精一杯となってしまった。
「これは1台のクルマが非常に好調だったとき、我々のような4台のクルマからなるチームが抱える、ある種の苦しみのようなものだ」と、失意のエリオットに代わってこのトラブルについて語ったのは、現在HMSのエグゼクティブディレクターを務めるジェフ・ゴードン。
「それは、どんな間違いも犯してはいけないということを示しているだけだ。残念ながら我々にはいくつかのミスがあった。それは明らかに9号車の計算ミスであり、ここへ来てのその代償は大きかったね……」
これで主役に躍り出たのはバイロンとハムリンで、背後にはトヨタ陣営の護衛として、まだプレーオフ進出が射程圏内のルーキー、タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)も引き連れ、レース中はつねにトップ5圏内で走行を続けていく。
しかし前半戦の主役マクドウェルも電装系トラブルで去るなか、チェッカーフラッグまでの最後の10周はバイロンの独壇場となり、シャーロット出身の25歳がハムリンを2.632秒差まで突き放す独走優勝を飾った。
「これがキャリア最高に支配的なレースだったかって? それについては少し考えなくちゃいけないね」とご機嫌の表情で応じたバイロン。
「でも本当に気分が良いのは間違いなく、これは僕を支えてくれたレースチームの功績だ。初めてのロードコースでの勝利だし(メンター兼アドバイザーの)マックス・パピスに感謝したい」と続けたバイロン。
「今週は自宅に新しいシミュレーターが届いたし、それでiRacingではたくさんの周回を重ねたんだ。素晴らしい勝利だし、僕らが最高の状態にあるとき、このようなパフォーマンスができることを示しているよね」
後方では、それぞれ15位と21位でフィニッシュしたRFKオーナー兼ドライバーのブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)と、今季限りで勇退のケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)がポイントベースでのプレーオフ進出を確実にし、残るはひと枠。
当落線上ランク16位のダレル“バッバ”ウォレスJr.(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)に対し、次戦レギュラー最終戦では同陣営のギブスや、スアレスらとの勝負が待ち受ける。
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第23戦『シュライナーズ・チルドレンズ200』は、最終リスタート勝負を制したサム・メイヤー(JR モータースポーツ/シボレー・カマロ)がシリーズ通算2勝目を飾っている。
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