そんな濃密な時間を経て、サウスオーストラリア州タイレムベンドに戻ったコステッキは、今季のRSCでタイトル戦線を牽引する、好調コカ・コーラ・バイ・エレバスのダブルエースとしてさらに“一皮剥けた”ドライビングを披露。FP1で最速だったトーマス・ランドル(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)を退け、まずは土曜ポールポジションを奪ってみせる。
迎えた週末最初のヒートでは、スタートで出遅れ後続に飲み込まれる苦しい展開となりながらも、僚友ウィル・ブラウン(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)らが絡んだクラッシュにより、セーフティカーでのリスタートを追い風に仕切り直しに成功。中盤のクリーンエアも最大限に活用し、義務ストップ後にはランドルとチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)のマスタング・デュオを振り切り、最初の勝利を手にした。
「自分自身で難しい状況に追い込んでしまった。僕自身は良い蹴り出しができず、代わりにチャズ(・モスタート)とトム(・ランドル)が良いスタートを切ったからね」と、シグナルグリーンの状況を振り返ったコステッキ。
「ストップ前までにふたりを追い上げる必要があったが、今日の“コカ・コーラ・カマロ”には充分なペースがあった。チームの全員を誇りに思うし、今日ポールポジションを獲得して勝てたことは素晴らしいことさ」
明けた日曜の2ヒートに向けても、初ポール獲得のランドルと予選最速を分けたコステッキは、フロントロウのレコードライン上から発進したレース2でポールシッターを出し抜き、これで土曜に続く2勝目を記録。さらに最終ヒートでは迫り来る復調フォード陣営を振り払い、キャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)を降して勝利をさらい、週末完全制覇の偉業を成し遂げた。
これで選手権首位の座を固めた新チャンピオン候補は、この週末にふたたびシャシー不調に見舞われ表彰台獲得さえ逃したSVGに対し、130点以上のリードを築くことに成功。続く8月18~20日開催のRSC第9戦『ペンライトオイル・サンダウン500』は、聖典『レプコ・バサースト1000』の前哨戦であると同時に、今季の耐久カップ初戦として、各陣営とも登録コドライバーとの協調がカギを握ることとなる。


