明けた日曜は完全ドライの条件で現地正午過ぎにスタートが切られると、ダストの砂塵にまみれた後続がコーナーエイペックスのタイヤバリアを吹き飛ばし、ウォールに接触するのもいとわない激しいバトルを繰り広げるなか、リバースポールの優位を活かしたジロラミが快走。
前日のトラブルから復調なったFL5型シビックRは、SC介入後のリスタートもポジションを堅持し、追い縋るマ・キンファ(リンク&コー・シアン・レーシング/リンク&コー03 TCR)を突き放し、待望の地元戦勝利を手にした。
「とてもうれしいよ、この瞬間をずっと待ち望んでいた!」と喜びを爆発させたジロラミ。「クルマのなかでその瞬間を夢見ていたし、僕らが抱えていたあらゆる問題の後、すべてが否定されたかのようだった。今日は勝つチャンスがあったし、それをやり遂げたんだ」
そのファイナルラップでは、中速左コーナーのインサイドからミケリスをかわそうとしたエルラシェールがヒョンデと交錯。半車身前だったリンク&コー03 TCRは巻き込むようにしてフロントからアウト側バリアに叩きつけられ、チェッカーを受けることなくここでレースを終えることに。
同じくアズコナも序盤の接触でダメージを負いリタイアとなっていたが、僚友ミケリスが4位フィニッシュで新たなポイントリーダーに浮上している。
一方、土日ともに世界戦組と共闘したTCRサウスアメリカ・シリーズではTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)謹製の『トヨタ・カローラGRS TCR』が奮闘。レース1ではファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソのパラディーニ・レーシング陣営が、元世界王者エルラシェールを挟んで5位と7位で最上位に。続く日曜は、セミワークス待遇たる本家Toyota Teamアルゼンティーナ(TTA)のベルナルド・ラヴァーが8位に入る結果に。
これで南米大陸ラウンドを終えたTCRワールドツアーは、そのまま南半球ポリネシア海域を渡ってオーストラリアへ。11月3~5日にはシドニー・モータースポーツパークで第7戦を開催し、続く11月10~12日には“聖地”マウントパノラマでの連戦が組まれている。


