迎えた土曜は真冬の南半球ながら30度に迫ろうかという暑さのなか、曇り空の午後にアウトドローモ・インテルナシオナル・アイルトン・セナの高速外周路を使用した予選が実施された。
ここではトヨタ・カローラが躍動し、選手権ランク降順に3台ずつのグループに分かれる異例のフォーマット変更のなか、外環状2.695mのトラックで上位23台の差が0.5秒未満、全30台がわずか0.711秒差圏内という極限の勝負を制したラモスが、2023年シーズン7人目のポールシッターとなった。
「この場所が本当に気に入っているよ」と語った元イタリアF3王者で、約1年前にもここで勝利を飾っているラモス。「ゴイアニアは僕にとってとても特別な場所だし、いつもではないが(笑)ほとんどの場合、昨年の優勝のようにここで良い結果を得ることができる」
「10分の1秒の改善はとても大きく、あらゆる細部が重要だ。このコースでは先頭からのスタートが重要で、オーバーテイクポイントが多くいつものサーキットとは少し違う。長いレースでスリップストリームも効く。クルマのケアに集中して良いスタートを切れればと思っている」
そのラモスはレース1の義務ピットウインドウが開いたあとも首位を維持し続け、背後からは2列目3番手発進だったピケJr.が、ルーカス・フォレスティ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)をパスして背後に迫る。
ファイナルラップでは260km/h以上のペースでコンタクトを伴う接近戦を繰り広げたカローラの2台が、そのままの状態でフィニッシュラインへ。サイド・バイ・サイドの状態でわずか0.514秒先行したラモスが、昨季10月以来となるゴイアニアでのトップチェッカーを受けた。
「レースでの勝利はいつだって特別で、簡単な勝利などない。でもネルシーニョが2番手に上がって以降は注意深く観察していたから、そんなに難しいことはなかったよ(笑)」とおどけた勝者ラモス。
続いてトップ10リバースグリッドとなったレース2は序盤から荒れた展開となり、スタート直後からセーフティカー(SC)が介入。ここで早くも王者ルーベンスの愛息“ドゥドゥ”ことエドゥアルド・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)や、ラモスの僚友で週末を前に選手権リーダーを務めていたチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)らが早くも戦列を去ることに。
そのSC明けリスタートで主導権を握ったのがアブレウで、義務ピットの戦略を挟んで息子の仇討ちとばかりにルーベンスが上位に浮上。さらに今季はTCRにも進出するラファエル鈴木(ポール・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)が僚友アブレウのサポートに付き、ルーベンスの背後からは20歳のジャンルカ・ペテコフ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)が続くなど、この2チームによる対決構図となる。
しかし優勝争いはホームストレートでの大事故により中断され、ここでは2021年王者ガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)も敢えなくリタイアに。そのままレースは赤旗で終了となり、アブレウ、鈴木、ルーベンスの表彰台が正式結果となった。
これでレース2の5位に喰い込んだシリーズ3連覇のダニエル・セラ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)が新たにポイントリーダーを引き継いだ2023年SCBは、9月15~17日にブラジル南部リオグランデ・ド・スル州の州都ポルト・アレグレにあるヴェロパークにて、第8戦が開催される。


