これら全車のバッテリー、モーター、サスペンションなどはすべてワンメイクとされ、コストを抑えつつ接戦を生み出すことが狙われているが、ようやくその第1弾となる実車を公開できたことに関し、STCCの最高経営責任者(CEO)を務めるミュッケ・ベルンも「ついに!」と喜びを表現した。
「現在、パズルのピースが所定の位置に収まり始めており、新世代STCCの最初の完成車をついに発表できた今日は、関係者全員にとって重要な日だ」と続けたベルンCEO。
「最初の1台がスウェーデンに納車されたばかりで、これ以降は非常にエキサイティングな納車の時期が続く。その後、歴史的な2024年に向けたチームの準備として、重要なパートである最初の公式テストが計画されている。まだまだ道のりは長いが、我々は正しい道を進んでいる」
サプライチェーンにおける多くの予期せぬ遅延に直面しながらも、こうして初号機納入を迎えたSTCCだが、そのキット製造を担当したEPWR社のミッケ・ヤンソンCEOも喜びの言葉を述べた。
「厳しい遅延期間があったことは誰もが承知のことと思うが、ついに新世代の素晴らしい、持続可能なレーシングカーの納入を開始できることをうれしく思う」と続けたヤンソンCEO。
「今後数週間以内に最初のマシンをSTCCに引き渡し、その後はSTCCの運営組織がチームに引き渡すことになる。今は2024年以降に向けた継続的な開発作業で大量のデータを収集すべく、スウェーデンのサーキットでこのクルマたちが走り出すテストデイを楽しみにしている」
引き続き、今月末にマントープパークで開催されるイベントにも次なる車両の搬入が予定されているというが、その場には今回のテスラ・モデル3も運び込まれ、同じくコース上に登場する計画だという。
「こうして最初の車両を見るのは本当に楽しいね。世界に類を見ない電動STCCを目指す、僕らの旅の重要なマイルストーンだ」と語るのは、今回車両が披露されたブリンク・モータースポーツで共同オーナー兼ドライバーも務めるトビアス・ブリンク。
「まだ取り組むべき小さなことがいくつかあるが、僕らは新しいテスラの開発に本格的に取り組む準備ができている。2024年に向けたハードな準備期間になるはずの、この秋と冬を楽しみにしているよ」

