小雨がパラつく状況でスタートしたレース2では、リバースポールポジションに着いた3台目のチーム・エングストラー、ジャコモ・アルトのVWゴルフGTIがまさかのストール。
チャンピオンシップに向けてプレッシャーが減ったファイルズは、ストレート上で全車を抜き去り、1コーナーまでにトップへ浮上。ミュルザンヌ・レーシングの17年型アルファロメオ・ジュリエッタTCRのダビド・カヤイアが2番手で追う展開となるが、オープニングラップの最終コーナーでエングストラーがジュリエッタをパス。王座に向けファイルズを追う体制を採った。

しかし、無常の結末は4周目のストレートで訪れた。

初の国際シリーズ・タイトルに向けライバルを追うエングストラーのゴルフGTIが突然のスローダウン。エングストラーは成す術なくマシンをコースサイドに止め、ここで万事休す。
このトラブルでセーフティカーが導入され、マシン回収で8周後に再開となったが、カヤイアのアルファロメオはステアリングトラブルで19周目に戦列を去ると、ファイルズ、グドヴィッチ、アルトの順でチェッカー。

イギリス人のファイルズが、栄えあるTCR中東シリーズ・初代チャンピオンの座に輝いた。
「2連勝でチャンピオンシップを獲得するのは素晴らしいことだ。この週末はタイヤに厳しい戦いになり、レース2に向けニュータイヤを温存する判断が僕らを救った。それでも、ファイナルラップにはタイヤが完全に死んでいたからね」とファイルズ。
2位、3位に入ったグドヴィッチ、アルトのリザルトにより、チーム・エングストラーがチームズ・タイトルを獲得している。