ここから配下のレディックを従えレースをコントロールした“23XI共同オーナー”だったが、残り7周で今度はクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が右リアタイヤをパンクさせウォールに衝突、最後のコーションが発動する。
ここでラスト・スプリントに向けピットロードに飛び込んだ各車は判断が分かれ、フレッシュな“4タイヤコール”としたハムリンは2タイヤ組のエリック・ジョーンズ(レガシー・モーター・クラブ/シボレー・カマロ)やジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)、そして土曜プラクティスのクラッシュから復活したカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)らの背後で復帰する。
さらにコース上ではダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)がステイアウトを決め、これで5番手から延長リスタートを切ったハムリンだったが、同じく4タイヤを選択したレディックが抜群のジャンプを決める一方で「横にいる5号車(ラーソン)を気にしすぎて、リスタートは前を見るより後ろを見て、まるで“寝ているような”状況に」陥り勝負権を失ってしまう。
すぐさま3番手に進出したレディックの45号車は、ホワイトフラッグが振られるなか鋭くボトムに飛び込み、ロガーノとジョーンズに並び掛け3ワイドとすると、ターン1で“勝利へのパス”が完了。フレッシュタイヤの優位性を活かし、ハムリンを従えてのトヨタ・ワン・ツーを完成させた。
「23XIのチーム全体による素晴らしい仕事さ。我々は本当に良いペースを持っていたが、そこでデニー(・ハムリン)を上回ることができなかったんだ」と、重要な局面で待望の移籍後2勝目を飾ったレディック。
「しかし混乱が起こった。トラックに留まるドライバーや2タイヤをコールするクルマもいて、そこで1番ボトムのレーンが空いた。かなりクレイジーだね」と、これで北米トヨタとTRD USAもワン・ツーを達成。
同週に開催されたWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』や、富士スピードウェイで開催のWEC世界耐久選手権第6戦『富士6時間耐久レース』でのワン・ツー、さらにはJRC全日本ラリー選手権第7戦『ラリー北海道』でのヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組と勝田範彦/木村裕介組(ともにトヨタGRヤリスJP4ラリー2)によるトリプル・ワン・ツーに、北米のNext-Genカムリも並ぶ結果となった。
同地カンザスで併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第26戦『カンザス・ロッタリー300』は、ジョン-ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が今季6勝目でレギュラー最終戦を制覇。こちらはすでにプレーオフ突入のNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第19戦『カンザス・ロッタリー200』は、クリスチャン・エッケス(マカナリー・-ヒルゲマン・レーシング/シボレー・シルバラードRST)がこちらも3ワイドの延長戦を制する結果に。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)は引き続き2台体制を敷き、追い上げを披露した16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRD-Pro)が9位、ジェイク・ドリューの61号車も10位に入り、2台揃ってのトップ10フィニッシュを決めている。



