更新日: 2023.09.13 16:50
YPFホンダRVレーシング席巻の週末はベルナルド・ラヴァーが劇的展開の逆転勝利/TC2000第9戦
迎えた午後2時15分からの予選でも、ペーニャのフルーエンスGTと僚友ラヴァーのシビックを抑え切ったアルドゥソが最速タイムを記録し、1分31秒248が新たなレコードタイムとして樹立されることに。4番手にはルノーのマルケス、5番手にTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)のエースを務めるジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラTC2000)のトップ5となった。
日曜午前11時30分から始まった25分+1周の最初の決勝は、ポール発進を決めた83号車のシビックが順当にリードを維持。そのまま波乱を寄せ付けず、ファイナルラップに入っていく。しかしここでアルドゥソを突如の異変が襲い、シビックの右フロントタイヤがパンクしたことで優勝の可能性を奪われることに。
チェッカーまで残り3分。ここで2番手につけていたTGR陣営の29号車ファクンド・アルドリゲッティ(トヨタ・カローラTC2000)に勝機が巡ってきたが、最後のコントロールライン通過まで残り数mとなった最終コーナーで、シビックの10号車がインサイドから急接近。
メインストレートに入る手前からの駆け引きで優位を築いたラヴァーが、最後のトラクション勝負でカローラを逆転し、ひさびさのトップチェッカー。TCRシリーズではトヨタ製のカローラGRS TCRに乗る男が、ここでは僚友の無念を晴らす「勝利の位置」に返り咲いた。
3位に続いたペーニャを含め、これでホンダ、トヨタ、ルノーと“マルチブランド”による表彰台が実現すると、正午過ぎに始まったレース2でも各モデルが入り乱れる展開に。
首位発進のホンダ・シビック10号車は、スタートから中盤まで背後の重圧に耐え続けたが、残り13分でルノー・フルーエンスGTの1号車が満を持して“プッシュ・トゥ・パス”を発動。メインストレートでの逆転に成功し、じわじわとリードを拡大。そのままペーニャが今季6勝目、シリーズ通算32勝目を飾ることに。
最後はトヨタのサンテロにも前に出られ、ホンダのラヴァーは3位でフィニッシュ。ふたたび異ブランドのポディウムが完成するとともに、4位にフィアットのディ・パルマも続き、都合4車種が上位を占める結果となった。
続くTC2000の第10戦は、シリーズを代表する祭典『ブエノスアイレス200km』となるが、同10月6~8日の週末には隣国ブラジルを代表する最高峰“ティントップ”シリーズのSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”も合流。南米相互交流の新プロジェクトとして、ブエノスアイレスのオスカー・ファン・ガルベス・オートドロームにて両選手権のシリーズ戦が開催される。