更新日: 2023.09.14 15:50
6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが待望の今季3勝目も、王者キスがハットトリック/ETRC第6戦
だが現地時間16時40分から始まったレース2以降、懸命の修復作業でスタートに間に合わせたキスがいつもどおりに席巻する展開となり、復調したマンはオープニングラップですでに最後尾から7番手までジャンプアップしてくる。
その前方ではバトルによる接触アクシデントも発生し、複数台がグラベルトラップに沈むなど、王者キスにとってはオーバーテイクするトレーラーヘッドの台数が減る幸運も重なると、10周目突入時点でアントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)を仕留めたキスが首位に浮上する。
しかしこの直前、ターン5でステファン・ファース(タンクプール24レーシング/スカニア)がコースアウトし、タイヤバリアの奥深くで停止したことでレッドフラッグ。バリアの修復作業が必要だったこともあり、レースは3周を残して早期終了を迎える。
本来、赤旗が出されている場合は最後に完了したラップの終了時点に基づいてリザルトが確定するため、首位攻防は流れが逆転し、0.050差でアルバセテが勝利の暫定結果となった。
しかしレース後、アルバセテがスタート手順に従わなかったとする5秒のペナルティと、決勝中の「走路外走行により不当なアドバンテージを得た」とする5秒のペナルティが加算され、最終的にキスの今季15勝目が確定した。
これで完全復調となったハンガリー出身の4冠ドライバーは、明けた日曜も予選ポールからの“サンデー・ダブル”を完成させ、週末3勝、今季17勝まで勝利数を伸ばしてゾルダーを後にした。
一方、日曜日の夜に週末を振り返った“帝王”ハーンも「金曜日には小さな問題があったが、この素晴らしい結果には十二分に満足している」と喜びを語った。「最初のレースで優勝したことに加えて、表彰台を2回獲得し、チャンピオンシップで2位を固めることができたからね」と、今季も猛威を振るうマンのライバルに『お手上げ』といった様子のハーン。
今季も残すは2戦となったETRC第7戦は、今月早くも3戦目となる9月23~24日の週末に、シリーズ恒例ル・マンのブガッティ・サーキットで争われる。