続くレース2で最前列スタートを切ったヒルは、逆襲に向け「ポイントを倍にしようと」奮闘を見せるが、ここでBMW 330e Mスポーツにミスファイアの症状が出始め、徐々に後退していくことに。
代わって勢いを披露したのがオープニングで23位まで沈んでいたサットンで、共通ハイブリッド機構のエクストラパワーも得たNAPAフォーカスは、レース中盤にデブリ回収のイエローが出た時点で6番手にまで躍進。リスタート後にはワトソンとヒルを抜き去りトップ4とする。
ここから“定位置”を奪還するのにさほど時間は要さず、まずは3番手のロリー・ブッチャー(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)をパスすると、アダム・モーガン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)やアーロン-テイラー・スミス(カーストア・パワーマックスド・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)を立て続けに仕留め、24周を走破してトップチェッカーを受けた。
「正直に言って言葉が出ないよ。厳しい戦いになることは分かっていたが、見た目からしてジェイク(・ヒル)がエンジントラブルを抱えていたこともあり、僕らに有利になったね」と喜びを語った選手権首位のサットン。
「予選では(使用可能な配分がなく)痛かったが、レース1の結果でハイブリッドの配分がフルに解禁になり、それを最大限に活用した。計画では追い抜きが難しいと思われるクルマにこのシステムを利用するつもりだったが、今日は最後のヴォクスホールがそうだった。昨晩からクルマに施した変更が最大化できて、本当に満足だよ」
そしてトップ12リバースの最終レース3は、序盤でモーガンのBMWとブッチャーのTGRカローラが接触してセーフティカーが導入されると、そのリスタート後にダン・ロイド(オートブライト・ダイレクト・ウィズ・ミラーズ・オイル/クプラ・レオンBTCC)らをパスしたターキントンが首位に浮上。
前戦レース2ではサットン同様に怒涛のチャージを見せて3位に喰い込んでいたイングラムが2番手に続き、タイトル戦線に待ったを掛けたかったが、フィールド後方からまたもサットンが浮上。最後は僚友ロウボトムにもポジションを譲られ、3位表彰台に上がる結果となった。
これでイングラムとの差を45点に拡げ、現役最多記録に並ぶ4度目のBTCCタイトル(ターキントンが保持)に挑むサットンは、直接対決に絞られたシーズン最終戦に向け有利なリードを確保。天王山となる今季BTCC最終第10戦は、ブランズハッチのGPレイアウトにて10月6~8日に決着のときを迎える。


