更新日: 2023.10.03 18:52
ブレイニー勝利も“最後のSSW”で勝利に迫ったハーヴィックがまさかの失格/NASCAR第31戦
さらにプレーオフドライバーの受難は続き、残り30周を前にフロントストレッチで8台が絡む“ビッグワン”が発生し、ここにケセロウスキーも巻き込まれてしまう。
同じく絡んだ僚友クリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)やチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)らは辛くもレース続行が叶ったが、ケセロウスキーに加えてオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)や、タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)らはここでマシンを降りることに。
このアクシデントによるデブリ回収で約10分の赤旗中断を経て、残り13周で迎えたリスタート。ホワイトフラッグに向けプレーオフドライバーのウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やハーヴィックに対し、残り2周で仕掛けたブレイニーはまさに“フォトフィニッシュ”でのトップチェッカーを受け、日曜わずか8周のリードで同地通算3勝目と、続く“Round of 8”への進出権を獲得してみせた。
「何だかよく分からない(笑)。最後の数周どころか、最後のリスタートもかなりワイルドだったよ」とキャリア通算9勝目を挙げ笑顔のブレイニー。「ちょっと勢いを失ったけど、その後は盛り返してボトムに移り、最後はケビン(・ハーヴィック)とドラッグレースを続けた。ここタラデガで3回も勝てたのは本当に素晴らしいこと。それにウイリアム(・バイロン)の後押しのおかげでここ数年よりも大きな差で優勝できたよ(笑)」
一方、わずか0.012秒差で敗れながら「スーパースピードウェイ最後のレースだし、クルマは順調に走ってくれた。ほぼ勝利みたいなもの」と喜びを語っていたハーヴィックは、レース後の検査で『フロントガラスの留め具はイベント全体を通してしっかりと固定されていなければならない』とする2件のNASCAR条項に違反したとして失格処分に。
ステージ2での8位通過ポイントも剥奪されたが、所属するSHRは「なぜこのようなことが起こったのか、そして今後どうすればそれを防ぐことができるのかを診断している」として、控訴も行わない意向を示した。
この結果、昇格2位のバイロンに続き、3位にはラップダウンから怒涛の巻き返しを披露したハムリンが入り、最終的にプレーオフドライバーによるトップ3となった。
「僕らがどうシナリオを描いたかは定かじゃないが、これはほとんど“dub(W=勝利)”のようなもので、僕らのブック(筋書き)の中での“dub”さ」と4位入賞直後に語ったハムリン。
「それに限りなく近かったし、明らかに『チームは勝てるほど速いクルマを持ってきてくれた』と高らかに主張したい気分さ。適切なタイミングで適切な動きをしただけで、残り15周の時点でトップ5は遥か彼方だったんだからね」
併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第21戦『ラブズRVストップ250』は、やはり10台のトラックが絡んだ“ビッグワン”からのオーバータイム・リスタートで、ブレット・モフィット(フロントロウ・モータースポーツ/フォードF-150)が今季初参戦で初勝利の大金星を挙げることに。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)は引き続き2台体制を敷き、16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は無念の中盤リタイヤ、61号車ジェイク・ドリューは20位に終わっている。