これが約4年ぶりの豪州復帰となるシルベストロは、その直前に盲腸の緊急手術も経験し、本来の事前テストを延期する事態となっていた。それでも、バサースト出走の希望が挫折しそうになった時期を経て一転、痛みと最終的な手術こそ「ショックだった」と言うが、予後が良好であると知って「頭のなかはバサーストでいっぱいになった」と明かす。
「それはそれは痛かった」と、シリーズ公式サイトに語ったシルベストロ。「普通に元気で過ごしていたのに、その数時間後には手術台の上にいた。準備する時間なんて何もなかったし、破裂寸前だった。その意味では幸運で、もし破裂していたらもっとひどいことになっていた」と続けたスイス出身の35歳。
「でも手術がうまくいったと言われたら、私はすぐに“馬”に戻れるタイプだとわかった(笑)。チームは私に合わせテスト日程を変更してくれて、その対応もとても素晴らしかった。彼らは物事をうまく進め、これを実現させてくれた」
そして本番開始約1週間前の先週には、クイーンズランド・レースウェイで自身初のGen3規定モデルのステアリングを握ることができた。
「このクルマについてはたくさん話を聞いていたから、実際にドライブするのは良いことね。ただ乗り込んで、そのクルマに何が必要かを学ぶだけだから」と、シリーズを離れていた期間も電動シングルシーターのリザーブや、北米インディカーへの“カメオ出演”に、欧州GTシーンでの活動と多忙な日々を過ごしてきたシルベストロ。
「確かに、それは私が慣れ親しんでいるものとは異なっていた。正直に言えば、スーパーカーをドライブするのは4年ぶりで、最初の数周は『間違った側(右ハンドル)』に座ることにも慣れる必要があった」
「コーナーから立ち上がるとき、少し道幅を使い過ぎていたみたい。でもそれは、クルマの感覚どおりにただ“グルーヴ”していただけ。結局のところ、クルマにはいくつかのペダル、ステアリング、そして4つの車輪が付いている。それをできる限り速く走らせる方法を掴むだけよ」


