イタリアGPの主催者は今後の開催を確実にするため、まもなくF1最高権威者のバーニー・エクレストンと新たな契約を結ぶことになる。
昨年12月に英国オートスポーツが報じたところによると、ミラノ自動車クラブ(オートモービル・クラブ・オブ・ミラノ)のイワン・カペリ代表が、モンツァでのイタリアGPは今後も数年間カレンダーに載ると発言している。そして現在、イタリア自動車クラブ(ACI)の代表であるアンジェロ・スティッチ・ダミアーニが、エクレストンとの契約は締結間近であり、これによって2020年もしくは2023年までの開催が確約されると認めている。
「契約締結まで大詰めの段階だ。まだ詳細を確認する必要があるが、契約の大筋は決定している。あと数回のミーティングで疑問点を解消できることを期待している。8割がた終わったと言っていい。2月の終わりまでには合意に至るだろう」
ダミアーニは昨年エクレストンとの話し合いが「あともどりできない段階になった」ことを明かし、現在の契約では2016年の開催が最後になると話していた。
「エクレストンは話し合いを断固として終了し、2017年以降はイタリアGPをカレンダーから外す考えだった。エクレストンが話をしていた相手は彼の望む金額を提示せず、コース改修のみを提案していた。そこで(イタリア首相の)マッテオ・レンツィとイタリア国際オリンピック委員会(CONI)会長のジョバンニ・マラゴが介入した」
「彼らはエクレストンと会談し、イタリア側としては前向きに契約を結びたいとの考えを伝えた。政府はCONIに資金提供者を見つけるよう指示して、CONIはACIに契約を任せることになった。このため政府は一銭の支払いも行っていない」
ダミアーニによると、エクレストンは開催権料を減らすことを選択し、結果としてイタリアGP開催が継続されることになったという。
「エクレストンは2800万ドル(約33億円)を要求していたが、最終的には2000万ドル(約24億6千万円)程度まで下げてきた。これはスペインGPやベルギーGPの主催者が支払う額と同程度になる。契約はほぼ終わっており、あとは少しの詳細を決めるだけだ」
「契約期間も話し合いの最中だ。選択肢はふたつで、4年か7年。4年の場合は2020年までの契約となり、7年の場合だと2023年までとなる」
新契約ではACIがクラブ収入から総額の60%程度となる1200万ドル(約14億円)を支払い、残る40%の800万ドル(約9億4千万円)をモンツァが支払うことが明らかになっている。
ダミアーニは「開催費用をまかなうためには当然ながらコストを削減し、支出も厳しく見直さなければならないが、ACIのメンバーが支払いをするわけではない」と付け加えている。