WTCC世界ツーリングカー選手権に長年参戦し、今季はTC2クラスとなるヨコハマ・トロフィーを獲得したリキモリ・チーム・エングストラーが、来季新設されるツーリングカーカテゴリー、TC3に移ると明らかにした。

 53歳の大ベテラン、フランツ・エングストラーが率いるエングストラーは、7年間に渡ってWTCCに参戦してきたが、チームをサポートするリキモリとともに、WTCCに別れを告げることになった。来季、WTCCはTC1規定のマシンしか出場することができないが、長年BMWで参戦してきたエングストラーは、ドイツ車でのレースを模索。TC3か、スポーツカーのGT3カテゴリーに移ることを検討していた。

「リキモリは1988年以来の私のスポンサーだ。もちろん、我々が一緒にレースを続けることが重要なんだ」とエングストラー。

「7年間に渡るWTCCでのレース活動は素晴らしいものだった。大きな家族みたいなものだったからね。ただ、TC3はおそらく急成長を遂げると思う。何が起きるか見てみよう」

 チームは、TC3インターナショナルシリーズへの参戦を選び、マシンとして共通プラットフォームを使うセアト・レオンのカップカーをベースとしたフォルクスワーゲン・ゴルフをチョイス。これにリキモリカラーを施し走ることになった。

「我々のゴルフプロジェクトは、3週間前に始まったんだ。現実的にはレースの3週間前にようやくテストをすることができるだろう」

「フォルクスワーゲンを選んだのは、彼らが本当に歓迎してくれたからだ。BMWにもアウディにもDTMというツーリングカーレースがあるが、フォルクスワーゲンにはない。だから彼らの役に立てると思うんだ」

「彼らは可能な限りベストな方法でクルマを仕立ててくれている。だから彼らに進行状況について電話する必要はないんだよ」

 TC3インターナショナルシリーズは、1チームあたり3台のマシンを走らせることが奨励されており、チームは多くのドライバーから関心が寄せられていると明らかにしているが、開幕時には3台を揃えない可能性もあるという。

 これでTC3カテゴリーには、ベース車両としてセアト・レオン、フォード・フォーカス、ホンダ・シビック、そしてゴルフと、多くの車種ラインナップが揃い始めている。アジアでも多くのジェントルマンドライバーが関心を示しているようで、来季に向けて一気にエントラントが増えるかもしれない。

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