2014年から、DTMドイツツーリングカー選手権と車両規則を統一化することになったスーパーGT500クラス。今後、各メーカーはこの車両規則に沿って2014年に向けて新GT500車両を製作していくことになる。
16日に発表された新車両規則を見ると、車両寸法は2012年のDTM車両と同一となり、タイヤサイズについても共通。モノコックや空力部品をはじめ、主要部品はDTMと共通化され、コストダウンを実現すると同時に、相互にマシンの乗り入れができるようになる。
スーパーGTとDTMで異なる点としては、エンジンがDTMの自然吸気4リッターV8であるのに対し、スーパーGTでは14年から2リッター直4ターボを採用。また、ドライバー交代があるGT500では給油口、排気管の位置が変えられる。さらに、GTではタイヤがマルチメイクとなるのも異なる点。エアコンなどのドライバークーリングシステムについても、スーパーGT独自の規則となる。ちなみに、共通モノコックの形状によるものと思われるが、新GT500車両は全車左ハンドルになる。
なお、スーパーGTに参戦しているレクサス(トヨタ)、ニッサン、ホンダの3メーカーのうち、ホンダはすでに伊東孝伸社長が「新NSXでのスーパーGT参戦」を公言しているが、NSXはコンセプトカーの形状からしても、ミッドシップレイアウトを採用することがほぼ間違いない。
これについて坂東代表は、「NSXについては、ITRとの合意に基づいて、共通モノコックはFRを前提としている。ただ、スーパーGTについては、共通モノコックを使って、ホンダさんはミッドシップという形になる。国内の3メーカーでミッドシップのあり方を今後協議していく」と語る。
「生産車からエンジン搭載位置を変えないことが販促につながる。モノコックについてはこれを使ってもらい、コスト削減をしながら日本の3メーカーがものづくりをしていってもらいたい」とし、NSXについてはこの共通モノコックを使い新車両規定に沿ったマシン作りを行うことになりそうだ。
「スーパーGTにドイツのメーカーが参戦することは、シリーズ戦についてはこれで原則可能になる。また、将来的には同じエンジンで、チャンピオン交流戦のようなものができたら」と坂東代表。2014年から、日本の3メーカー、そしてドイツの3メーカーが両シリーズで相まみえることが実現するのか。あとはメーカー次第と言えるだろう。
2014年からのスーパーGT新車両規則は以下の表のとおりだ。