チーフ・デザイナーとしてかつての名門F1チーム、ティレルの創世記に携わったデレック・ガードナーが7日亡くなった。ガードナーはティレル最初のマシンである001から携わり、有名な“6輪”ティレルP34を生み出した。
ガードナーは1931年生まれのイギリス人で、オートマチック・トランスミッションの開発から、レースでの四輪駆動システムを研究していたハリー・ファーガソン率いるファーガソン・リサーチを通じてF1の世界に足を踏み入れた。
その後、マトラから独立したティレルにデザイナーとして招聘されたガードナーは1970年にティレル001を手がけ、翌年には003によりジャッキー・スチュワートがワールドチャンピオンを獲得。また、73年には006でスチュワートが3度目のチャンピオンを獲得している。
1975年には、F1界を驚かせた前4輪、後2輪の独創的な『ティレルP34』を発表。1976年シーズンにはスウェーデンGPでワン・ツーフィニッシュを飾るなど、その実力を証明することとなった。
しかし、P34の開発後、1977年にティレルを去ったガードナーは、アメリカのボルグワーナー社で再びトランスミッションの開発に従事。再びF1の世界に戻ることはなかった。