6月16日〜17日に開催されるル・マン24時間耐久レースを前に3日、サルト・サーキットを舞台にテストデーが開催され、2号車アウディR18 e-トロン・クワトロがトップタイムをマーク。アウディ勢がトップ3を占めた。
今季のル・マン24時間には、ハイブリッド初の勝利を目指しアウディ、トヨタがそれぞれハイブリッド車を投入。このテストデーで初めてタイムを競うこととなった。すでにWEC世界耐久選手権第2戦スパでデビューを飾っているアウディR18 e-トロン・クワトロは、2台のアウディR18ウルトラとともにサルト・サーキットに登場。プラクティス1では時折小雨も舞う中、周回を重ねた。
そんな中、プラクティス1では3号車R18ウルトラが3分27秒732でトップタイムをマークしたものの、タイムが短縮されたプラクティス2ではリナルド・カペッロ/トム・クリステンセン/アラン・マクニッシュ組2号車R18 e-トロン・クワトロが3分25秒927までタイムを縮めトップに。1号車R18 e-トロン・クワトロが3分26秒468で続き、R18 e-トロン・クワトロがワンツーを占めることに。3号車が3番手となり、アウディ勢がトップ3を占めた。
一方、今回がサルト・サーキットデビューとなるトヨタTS030ハイブリッド勢は、新たに“トヨタ・ハイブリッドブルー”と呼ばれる青を基調とした新たなカラーリングで登場。8号車は今回がシェイクダウンとなり、新たに加入したステファン・サラザンが自転車事故による打ち身と切り傷が完全に癒えていないため、アンソニー・デイビッドソンとセバスチャン・ブエミの手により走行を重ねた。
7号車トヨタTS030ハイブリッドはアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴というこれまでテストを担ってきたトリオで走行。プラクティス2では7号車がトップの2号車アウディに1.2秒差と迫る3分27秒204をマークし、アウディ勢と戦えるポテンシャルを示した。
なお、ブエミと中嶋一貴はル・マン初挑戦となる際の参加条件である10周の周回をこなす義務があったが、こちらは午前中の段階でクリアした。
8号車トヨタが5番手に続き、4号車アウディR18ウルトラが6番手。7番手にはガソリンエンジン車最上位となるストラッカ・レーシングのHPD ARX-03a・ホンダがつけた。今季ペスカローロ・チームと組みガソリン車最上位を狙う童夢S102.5・ジャッドは、荒聖治も乗り込みトップ2号車アウディから11秒差の10番手につけている。
LMP2クラスは、OKAレーシングが走らせる35号車モーガン・ニッサンがトップタイム。ALMSのトップランナーであるレベル5モータースポーツのHPD ARX-03b・ホンダが2番手につけることに。黒澤治樹が乗り込むJOTAのザイテック・ニッサンが3番手となった。
LMP2クラスに参戦する日本人ドライバーでは、中野信治が乗り込むブーツェン・ジニオン・レーシングの45号車オレカ・ニッサンが総合29番手。井原慶子が乗り込むガルフレーシング・ミドルイーストのローラ・ニッサンが総合35番手となっている。
今年のル・マン24時間で、環境技術を目指した特別枠“ガレージ#56”から参戦するニッサン-デルタウイングは、マリーノ・フランキッティ/ミハエル・クルム/本山哲の手で走行。「13年ぶりのル・マンでナーバスだったという本山だが、3分47秒980というベストタイムをマークし、トラブルフリーでセッションを終えた。
LM-GTEプロクラスはラグジュリー・レーシングの59号車フェラーリ458がトップに。コルベット・レーシングの74号車シボレー・コルベットC6-ZR1が2番手につけた。