6月22日〜23日に行われるル・マン24時間に向け9日、サルト・サーキットで61台が参加しテストデーが行われた。セッション1/2の結果、トム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ組2号車アウディR18 e-トロン・クワトロがトップタイムをマーク。アウディ勢がトップ3を独占している。
今年で90周年を迎えるル・マン24時間。そのレースをうらなう上で重要なセッションとなる今回のテストデーには、本戦に参加しないLMPC車両等も含めた61台のマシンが出走した。総合優勝を争うLMP1クラスでは、連覇を狙うアウディが、マルコ・ボナノニのドライブでテストデーのみの参加で4号車をエントリー。アウディ4台、トヨタ2台という6台のハイブリッド車が揃いテストデーを迎えた。
迎えたテストデーは、前日に降り続いた雨のため、午前はウエットコンディションで迎えることに。そんな中、2号車アウディはデュバルのドライブ中に、テルトルルージュでクラッシュ。修復後、路面が乾いた午後のセッションでは予選シミュレーションを行い、3分22秒583というタイムでトップタイムをマークした。
「タイムシートの最上位にいるのはいつも気分がいいよね。今回はマシンの能力をみるために、予選シミュレーションをしたんだ。燃料を減らして、クリアラップをとることができた。フラットアウトにできたし、いいラップだったよ」とデュバル。
2番手には、マルク・ジェネ/ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ジャービス組3号車アウディがつけ、コンマ3秒差でディフェンディングチャンピオンのアンドレ・ロッテラー/マルセル・ファスラー/ブノワ・トレルイエ組1号車がつけた。デュバルのタイムは、3号車に対しても2.77秒の差をつけている。
トヨタ勢の最上位は、アンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組8号車トヨタTS030ハイブリッド。トヨタ勢は終始ロングランテストに集中し、空力セットアップとタイヤ評価、トヨタ・ハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)の最適化を行った。アウディ4号車が5番手で、アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組7号車は6番手につけている。8号車トヨタのタイムは、1号車アウディに対して約2秒の差があった。
LMP1クラスのプライベーターチームでは、レベリオン・レーシングの12号車ローラB12/60・トヨタが最上位の7番手。13号車ローラ・トヨタが8番手、ストラッカ・レーシングのHPD ARX-03c・ホンダが9番手につけた。
24台が参加した激戦区のLMP2クラスは、OAKレーシングのオリビエ・プラ/デビッド・ハイネマイヤー-ハンセン/アレックス・ブランドル組24号車がトップタイムをマーク。ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズで戦うシグナテック・アルピーヌA450勢が続き、36号車が2番手、37号車が3番手につけた。WECの上位チームとELMSの上位チームが好タイムをマークする中で、中野信治が乗り込んだデルタADRの25号車オレカ・ニッサンはクラス9番手。井原慶子が乗り込むガルフレーシング・ミドルイーストのローラB12/80・ニッサンはクラス23番手となっている。
ALMSアメリカン・ル・マン・シリーズからコルベット・レーシング、SRTモータースポーツという2ワークスが参加し激戦となっているLM-GTEプロクラスは、アストンマーチン・レーシングのバンテージGTEが好調。ピーター・ダンブレック/ステファン・ミュッケ/ダレン・ターナー/ジョニー・アダム組97号車がトップタイムをマークし、99号車が2番手につけた。
3番手にはポルシェAGチーム・マンタイの92号車ポルシェ911 RSRがつけ、4番手には91号車ポルシェ、5番手にコルベット・レーシングの73号車シボレー・コルベットC6-ZR1がつけた。小林可夢偉が乗り込んだ71号車フェラーリ458はクラス8番手でテストデーを終えている。