三菱自動車は、 2009年3月3日(火)[一般公開は5日(木)]から15日(日)まで、スイス・ジュネーブのパルエクスポで開催される第79回ジュネーブ国際自動車ショーで、同社のコミュニケーションワード『Drive@earth(ドライブアットアース)』を具現化したコンセプトカー『i MiEV SPORT AIR(アイ ミーブ スポーツ エア)』(参考出品)と、2010年に欧州市場投入を想定した新世代電気自動車『i MiEV』(欧州向けプロトタイプ:参考出品)の2台のコンセプトカーを世界初披露した。

そのほか、CO2排出量115g/kmと、コンパクトカークラスではトップレベルの環境性能を誇る欧州生産の『コルト』など、欧州で販売している車両を中心に合計15台を出品した。

1.『i MiEV SPORT AIR』 (参考出品車)

『i MiEV SPORT AIR』は、"地球環境に配慮しながらお客様に走る歓びを提供する"という意味を込めた、同社のコミュニケーションワード『Drive@earth(ドライブアットアース)』を具現化し、将来のEVの方向性のひとつとして"スポーティな電気自動車"(SPORT)を提案する。また、電気自動車で"開放感に溢れた、爽快なドライビングを楽しむ"(AIR)ための、特長装備として、脱着可能なルーフを装着した。
EVコンポーネントでは、第二世代バッテリーとして、リチウムイオンバッテリーの電極部を改良するとともに、車体でも軽量化のための新技術を多数採用した。

(1) デザイン
エクステリアは、ユニークな「リヤ・ミッドシップレイアウト」のプラットフォームを採用した『i MiEV』をベースに、キャブフォワードでボディ後方を絞り込んだ、ティアドロップタイプのフォルムとし、軽快さ、楽しさを表現しながら高い空力性能と居住性を両立させている。また、ボディと一体感ある大きなグラスエリアによって新しいスポーティなイメージを表現した。さらに、フロント&リヤランプはシンプルな形状であるが、立体感を持たせた造形としたほか、電気基盤のグラフィックをそのままデザインとして取り入れたソーラーパネルを内蔵した、半透明な樹脂製ルーフを採用した。
インテリアは、安らぎを与える快適な空間を目指し、生命体を感じさせる造形や照明によって、親しみやすさを演出する一方、コクピットは、着座した瞬間に「走り」のイメージが高まるドライバーを包み込むような造形としている。また、操作系に関しては、シフトノブまわりにスイッチ類を集約させることで、全ての機能を一箇所で操作可能とした。
カラーリングは、「Japanese Technology(ジャパニーズテクノロジー)」をテーマに、「ecology(エコロジー)」と「high-tech(ハイテク)」感を演出した。ボディカラーはブルーをベースに、パール塗装によってボディのハイライトを青く光らせることで、優しさと未来感、エコロジーなイメージを表現した。また、インテリアカラーは、グレーイッシュブルーとグレージュ(グレーとベージュの中間色)のハイコントラストな2トーンを基調に、スイッチ類などの照明に青い照明を採り入れることで、室内を先進的でハイテク感あるイメージとする一方、安心感のある空間を造りだした。

(2) EVシステム
『i MiEV』と同様の「リヤ・ミッドシップレイアウト」を採用。モーターは『i MiEV』に搭載している永久磁石式同期型モーターを改良し、最高出力60kW(『i MiEV』は47kW)、最大トルク230N・m(『i MiEV』は180N・m)を発揮。また、特長でもあるロングホイールベースを活かし、大容量のリチウムイオンバッテリーを床下の低い位置に搭載した。

(3) ボディ
走行安定性を高めるために有効な低重心化を目的に、EVの要素部品(バッテリー、インバーター、充電器など)は、できるだけ低い位置にレイアウトした。また、ルーフも脱着が容易で、低重心化にも効果的な軽量の樹脂製とした。
また、理想的な前後重量配分(前後配分 50:50)の実現のため、モーター、トランスミッションなどパワートレインやEV要素部品を搭載している後軸まわりの重量低減を目的に、樹脂製ボディパネルや、軽量化に効果のあるテールゲートモジュール構造を採用。さらに、アルミリヤサスペンションやリヤボディのみアルミ化するハイブリッドボディを採用した。

『i MiEV SPORT AIR』基本諸元
全長 3,650[mm]
全幅 1,600[mm]
全高 1,520[mm]
ホイールベース 2,550[mm]
トレッド(F/R) 1,405/1,405[mm]
乗車定員 4名
車両重量 940[kg]
モーター最高出力 60[kW]
モーター最大トルク 230[Nm]
バッテリー リチウムイオンバッテリー 330V
駆動方式 後輪駆動
タイヤサイズ 175/50R17

2.『i MiEV』 (欧州向けプロトタイプ:参考出品車)

(1) デザイン
2009 年夏に日本で市場投入する予定の新世代電気自動車『i MiEV』をベースに、欧州市場への投入を想定した変更を加えた。まず、高速安定性能をさらに高めるため、トレッドを拡大。さらに、衝突安全面では、特に欧州で高い性能が求められる歩行者保護性能と、後方からの軽衝突性能を高めるため、前後のオーバーハングを延長させた。これにより、車両全体でも安定感のあるフォルムとなった。
インテリアはシンプルな造形とし、ダイヤル式のシフトスイッチや、空調の吹き出し口など、リング状の造形を多用することで、乗員にくつろぎを与えるやさしい空間を演出した。
カラーリングは、雪を表す白いボディカラーと、氷を表す青いインテリアカラーで「ecology(エコロジー)」をイメージさせる氷河をテーマとした。また、素材やモチーフは、電気基盤をイメージさせる模様を配し「high-tech(ハイテク)」感を演出した。

(2) メカニズム
日本で実証試験を行っている『i MiEV』と同様、エンジンを後輪車軸の前に配置するユニークな「リヤ・ミッドシップレイアウト」を採用し、エンジン・燃料タンクの代わりに、リチウムイオン電池、モーター、インバーター等のEV関連システムを搭載した。
また、「リヤ・ミッドシップレイアウト」のメリットとして、ロングホイールベースによって効率的に居住スペースを確保するほか、重量物を床下など低い位置に搭載しているため、重心高を低下させることができ、高い走行安定性能を得ている。

『i MiEV』(欧州向けプロトタイプ)基本諸元
全長 3,450[mm]
全幅 1,520[mm]
全高 1,600[mm]
ホイールベース 2,550[mm]
トレッド(F/R) 1,325/1,325[mm]
乗車定員 4名
車両重量 1,080[kg]
モーター最高出力 47[kW]
モーター最大トルク 180[Nm]
バッテリー リチウムイオンバッテリー 330V
駆動方式 後輪駆動
タイヤサイズ 175/45R17

3.出品車リスト
名称 展示台数 備考
i MiEV SPORT AIR 1 世界初披露、参考出品車
i MiEV 1 世界初披露、欧州向けプロトタイプ、参考出品車
コルト 4 3ドア「ラリーアート」、3ドア「クリアテック」
5ドア、5ドア「クリアテック」
欧州生産車
ランサー 1 日本名:ギャランフォルティス
ランサーエボリューション 1 日本名:ランサーエボリューションⅩ(テン)
ランサースポーツバック 1 日本名:ギャラン フォルティス スポーツバック
ランサースポーツバック ラリーアート 1 日本名:ギャラン フォルティス スポーツバック ラリーアート
グランディス 1
アウトランダー 2
パジェロ 1
L200 1 ダブルキャブ、日本名:トライトン、タイ生産車
合計 15
※プレスデー、一般公開日共に同一展示

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