更新日: 2018.02.23 10:34
【Honda】IRL第7戦アイオワ:予選中止によりカストロネベスがポールポジション獲得
予選中止によりエリオ・カストロネベスがポールポジション獲得
武藤英紀は11番グリッドからスタート
2009年6月20日(土)
予選
会場:アイオワ・スピードウェイ(全長0.894マイル)
天候:曇り
気温:28~29℃
2009年IRLインディカー・シリーズ第7戦は、アイオワ州の州都デモイン近郊のアイオワ・スピードウェイで開催されている。シリーズ中2番目に短い全長0.894マイルのショート・オーバルコースでの予選は、2年連続で中止となった。昨年はタイミングの悪い雨によって走行断念となったが、今年は前日の大雨による影響からか予選開始前になってターン4などのコース表面から水が染み出し、コースの安全を確保できなくなったためだった。予定より約1時間遅れ、夕方5時半に予選はいったんスタート。しかし、3人のドライバーたちがアタックを行ったところで、水の染み出しが止まらないため、中止が宣言された。
明日のスターティング・グリッドは、エントラントポイント順で決められることとなり、エリオ・カストロネベス(Team Penske)が今季2回目となるポールポジションを獲得した。ただし、ポールウイナーに対するボーナスポイントの1点は、予選の行われなかった今回は与えられない。
2番グリッドにはカストロネベスのチームメートであるライアン・ブリスコー(Team Penske)、3番グリッドにはスコット・ディクソン(Target Chip Ganassi Racing)がつくこととなった。
昨年、このアイオワ・スピードウェイで日本人最高リザルトとなる2位フィニッシュを記録した武藤英紀(Andretti Green Racing)は、最初のアタッカーとして予選を走ったが、その後に予選のキャンセルが決定。エントラントポイントの順位により、スターティング・グリッドは11番手と決まった。
エリオ・カストロネベス(ポールポジション)
「サーキットに集まってくれたファンは、エキサイティングな予選を見るチャンスを失った。中止は非常に残念だ。開幕戦のセント・ピータースバーグに出場していない私がポールポジションからスタートできるのは、開幕戦でウィル・パワー(Team Penske)が6位となって獲得していたポイントがあるためだ。彼に感謝したい。今日のプラクティスでのラップタイムを見ればわかる通り、チーム間の実力は拮抗している。明日のレースは、燃費をセーブして給油時間を短くする作戦など、ありとあらゆる可能性を考えて戦わねばならない」
ライアン・ブリスコー(2番グリッド)
「ポイントによって我々は2番グリッドと決まった。予選を開催できなかったのは残念だが、フロントローからのスタートとなった点はうれしい。また、Team Penskeがフロントロー独占を果たすこともできた。しかし、我々は予選に向けてもかなり自信を持っており、本当のことを言えば走りたかった。私かエリオ・カストロネベスのどちらかがポールポジションを獲得できていた可能性は十分にあった」
スコット・ディクソン(3番グリッド)
「プラクティスでのタイムを見る限り、我々はフロントローを獲得できた可能性が高かった。それだけに我々は少々厳しい状況に置かれることとなった。ポイント順でグリッドが決まることとなり、私は2列目イン側の3番グリッドからスタートすることになった。マシンは予選アタックでもいいハンドリングになっていたが、コースには多量の水が出ていた。走る台数が増えれば路面に染み出す水も増え、アクシデントが発生する可能性が高まる。レース主催者とすれば予選を中止するという判断は難しいだろうが、仕方がなかったと思う」
武藤英紀(11番グリッド)
「アイオワのコースはオーバーテイクが難しいと思うので、燃料をセーブする作戦がとても重要になってくると思います。フルコースコーションが出た場合、ピットストップで給油の時間を短くできれば、ポジションを上げることができるからです。我々の決勝用セッティングはいいと思うので、アクシデント、フルコースコーションが少なく、各スティントが長くなるレースとなった場合、ハンドリングが悪くなったマシンをオーバーテイクできるチャンスが出てくるはずです」
ロジャー・グリフィス|HPD レース・チームマネジャー
「予選中止は非常に残念だ。しかし、コースの数カ所から水が染み出していたため、IRLは安全を重視して中止を決断した。その決定に間違いはなかったと思う。予選開始後にも水漏れは続き、その間に気温が下がっていく状況だった。こうなると、走る順番がうしろになればなるほど有利になってしまうため、予選中止は正しい判断だったと考えられる。
アイオワ・スピードウェイは、単独でならエンジン全開で1周を走れるが、前後にマシンが走っているレースでは全開走行は不可能だ。レーシングラインは1本しかなく、オーバーテイクの非常に難しいコースでもある。しかし、トラフィックの処理の良し悪しや、タイヤの消耗によるハンドリングの悪化などによってオーバーテイクのチャンスは生まれるので、とてもエキサイティングなレースになることを期待している」