Formula NIPPON NEWS 2009.03.03
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
第1回公式合同テスト1日目[富士スピードウェイ]

アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S)がトップタイム
午後は降雪で走行キャンセルとなる

去る2月17日(火)~20日(金)、すでに各チームがそれぞれのスケジュールに合わせてシェイクダウンテストを行ったフォーミュラ・ニッポン。その第1回の公式合同テストが、3月3日(火)~4日(水)、富士スピードウェイで行われた。初日は、あいにく雪まじりのコンディション。午前10時半過ぎからは、この雪が本降りとなり、午後のセッションは早々にキャンセルが決定した。一方、午前9時から2時間に渡って行われた第1セッションでは、参加した8チーム・13台のマシンが精力的に走行を重ねた。そんな中、走り出しから好タイムを刻み、トップタイムをマークしたのはNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S)。以下、No.1 松田次生(LAWSON TEAM IMPUL)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。

気温1度、路面温度2度と、真冬並みのコンディションに逆戻りした富士スピードウェイ。この日は昼頃から雪の予報が出されていたが、午前9時のセッション開始間近になると、早くも小雪が舞い始める。しかし、この時点での路面はドライ。その後、天候の崩れが予想されたため、多くのマシンがセッション開始から間もなくコースインした。今回からは、今までよりもハード寄りの09仕様タイヤも各チームにデリバリー。だが、前回のシェイクダウンテストで使用したソフト目のタイヤを各ドライバーともに1セットずつ持ち込むことができたため、走り始めから09仕様を履くドライバーはほとんどいなかった。
しかし、走り始めからNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)、ロッテラーらは、前回のシェイクダウンテストでブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)がマークした1分24秒141という総合トップタイムに迫るタイムをマーク。さらに、セッション開始から20分余りという時点では松田が1分23秒台に入れてくる。その後、雪の降りが強くなったため、ウェット宣言が出されると、各ドライバーともにピットで待機。レインタイヤを履くほどは路面が濡れていなかったため、天候の回復を待ちながら、セットアップの変更などを行なった。
セッション開始から1時間余りが過ぎると、再び雪は止み、各車走行を再開。ここで松田が1分23秒785までトップタイムを伸ばす。09タイヤを装着したNo.10 塚越広大(HFDP RACING)も1分24秒023と大きくタイムを伸ばした。だが、その直後、ロッテラーが1分23秒682までタイムを伸ばし、トップに躍り出た。デュバル、小暮も、ここで自己ベストを更新。それぞれ3番手、4番手に浮上している。一方、松田のチームメイト、トレルイエは、ここで09タイヤを投入。1分23秒959までタイムを伸ばし、総合5番手ながら09タイヤ装着車としては、これがトップタイムとなっている。

トップ3ドライバーのコメント

総合1位
No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TAEM TOM’S)
トップタイムっていうのは、いつでも気分がいいね。チームがより強くなっていると感じることができるしね。今日のテストはシンプルだったよ。前回に引き続き、よりこのクルマについて知ることが大事だったし、より多くのメカニカルグリップを得るためにセットアップも色々試した。いずれにしても、時々雪が降っていたし、それほど多くのことはできなかった。でも、路面のコンディションはすごく良くて、セットアップを変えたことに対して、クルマもよく反応してくれた。クルマは悪くない方向に進んだと思うし、ここからさらに良くしていきたいよね。前回のテストでも僕は自分のクルマにポテンシャルを感じることができたし、今回の結果も良かった。僕は、この間、結構程度のいいタイヤを残していたので、それもあってトップタイムを出せたと思う。09スペックのタイヤに関しては、今日は試すだけの時間がなかったんだ。

総合2位
No.1 松田次生(LAWSON TEAM IMPUL)
今回は、前回の反省点を踏まえて、エンジニアと相談しつつセットアップを変更して持って来たんですが、それがいい方向に進みました。走り初めから、自分の意のままに動くようになってきていましたね。そこから、セッション途中にまたガラッとクルマを変えたんですけど、さらに1分23秒までタイムを伸ばすことができたので、ここまでは順調に来ていると思います。オーバーステアはだいぶ解消されてきました。でも、ブレーキングでリフトする感じは残っているので、そこも色々ドライビングやセットアップで解決して行きたいですね。ただ、今日はタイヤがすごく冷えていて、フロントとリヤの温まり方が違ったんですよ。特にフロントの温まりが悪くて、クルマの素性を見るのは難しかったです。僕は今日、09年仕様を使っていないんですけど、もし使ったら、果たしてどうなるのかっていう部分はありましたね。夏場に気温が上がった時に発動してくれればいいんですけど。心配なのは、そこだけ。明日は天候が回復すれば、09タイヤでのテストをしたいです。

総合3位
No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)
今回は、ようやく自分のクルマで走ったので、“いよいよ始まったんだな”っていう感じでした。今日は、まず持ってきた状態からウィングやバネなど大きな部分をいじってみましたが、それによっていいデータを取れたと思います。前回、ロイックのクルマで走った時と、今回持ってきたセットアップは、すでに大幅に変わっているので、かなりフィーリングは良くなっています。でも、まだ基本特性が消えていない部分もあるので、まだまだこれからだな、と。アンダーが出る所もあれば、オーバーが出る所もあって。高速コーナーはすごくバランスが良くてパーンと行けるんですけど、低速コーナーではちょっと難しい所があります。ブレーキがロックする症状も出ていましたね。まぁ、今のままで前後バランスを直しただけでも、もう少し良くなると思うんです。09タイヤに関しては、今日一度履いてみたんですけど、雪が降ってきてしまって温まる前に終わってしまいました。明日、天候が回復し、新しいタイヤを試せればいいと思ってます。

第1回公式合同テスト 1日目ラップタイム
富士スピードウェイ 4,563m
■セッション1 2009.03.03 スタート 09:00/フィニッシュ 11:00 天候:雪 コース:ウェット
■セッション2 2009.03.03 走行中止 天候:雪 コース:ウェット
Po No Name Team Best Time Session 1 Session 2
1 36 アンドレ・ロッテラー PETRONAS TOM’S 1’23.682 1’23.682 –
2 1 松田 次生 LAWSON IMPUL 1’23.785 1’23.785 –
3 32 小暮 卓史 NAKAJIMA RACING 1’23.839 1’23.839 –
4 31 ロイック・デュバル NAKAJIMA RACING 1’23.931 1’23.931 –
5 2 ブノワ・トレルイエ LAWSON IMPUL 1’23.959 1’23.959 –
6 10 塚越 広大 HFDP RACING 1’24.023 1’24.023 –
7 41 伊沢 拓也 DOCOMO DANDELION 1’24.235 1’24.235 –
8 20 平手 晃平 TEAM IMPUL 1’24.543 1’24.543 –
9 40 リチャード・ライアン DOCOMO DANDELION 1’24.553 1’24.553 –
10 48 立川 祐路 CERUMO/INGING 1’24.649 1’24.649 –
11 37 大嶋 和也 PETRONAS TOM’S 1’24.668 1’24.668 –
12 8 石浦 宏明 Team LeMans 1’24.775 1’24.775 –
13 7 国本 京佑 Team LeMans 1’24.807 1’24.807 –

◎トップタイム: アンドレ・ロッテラー No.36 PETRONAS TEAM TOM’S 1’23.682 17/24Lap Ave. 196.300km/h

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