ル・マン/WECニュース

投稿日: 2012.03.12 00:00
更新日: 2018.02.16 07:49

アウディ、WEC開幕戦で新しい時代に挑戦


2012/03/12

モータースポーツ プレスリリースNo.03
アウディの新しい時代が、セブリングで幕を開ける

■ FIA世界耐久選手権(WEC)が開幕
■ 昨年のルマン24時間レース優勝マシン Audi R18 TDIの改良版で開幕戦に挑む
■ 新加入ドライバー・ロイック デュバルがアウディマシンでの初レースに臨む

 来る3月17日にセブリング(アメリカ合衆国・フロリダ州)で開催される12時間耐久レースには、大きな進展がいくつも盛り込まれています。アウディにとって、新しいFIA世界耐久選手権(WEC)は新しい時代の幕開けとなります。アウディが最後にワールドチャンピオンを獲得したのは1984年のラリーでした。そして、今年で60周年目を迎えるセブリング12時間レースで、アウディは10回目の総合優勝獲得を狙います。

 これまでにもアウディは、サーキットレースの世界で数多くのワールドチャンピオン獲得の戦いに挑んできました。1999年以来、アメリカン ルマンシリーズでの9回を始めとする、数多くのシリーズチャンピオンを獲得してきました。そして今年、FIAは1992年以降失われていた世界選手権の冠を、いまや最も洗練されたテクノロジーが満載されているルマンプロトタイプカーでのレースに復活させました。

 インゴルシュタットとネッカーズルムに拠点を置くアウディの技術開発部門は、フル稼働で作業を進めています。今シーズンは、少なくとも3タイプのAudi R18 LMP1レースカーがレースに投入されます。2月の終わりにお披露目されたAudi R18 e-tron quattroと Audi R18 ultraは、5月始めのスパ・フランコルシャン(ベルギー)でのレースデビューに向けてさらなるテストを重ねています。そしてセブリングでの世界耐久選手権開幕戦でアウディ スポーツ チーム ヨーストは、昨年のルマンで優勝したAudi R18 TDIでレースに臨みます。

 開発部門は努力の末、短時間で結果を出しました。今年からレギュレーションが改定され、エアリストリクターの系が47.4mmから45.8mmに小型化、過給圧も3000ミリバールから2800ミリバールに下げられましたが、ディーゼルエンジンの出力は約7%の低下で収めました。燃料タンク容量も小さくされ、以前は最大65リッター給油可能だったAudi R18 TDIは、今年から最大60リッターと少なくなりました。さらには、15kgのウェイトが搭載されることになりました。2012年から決まったこのウェイト搭載は、フェンダーに施された複合的なエアロダイナミクスの効果を相殺するためのもので、これまでAudi R18 TDIには適用されていませんでしたが、今回のマシンから適用されることになりました。Audi R18 TDIがクローズドボディのスポーツカーとして、セブリング12時間レースに出場するのは初めてのことです。しかしエンジニア達は、過去にAudi R18 TDIが走行したテストデータを集めることで、新しい車両を創り出しました。

“人とマシン"の両方にとって辛く厳しいテスト
 旧い飛行場に造られたセブリングの12時間耐久レースに出場することは、シーズン始めに過酷なテストを行うことを意味します。アスファルトとコンクリートの舗装が入りまじるバンピーなコースは、マシンだけでなくドライバーの健康状態にも悪影響を与えます。うだるような暑さにも、過去に幾度も苦労をしてきました。さらに、12時間というレース時間は、2012年のWECカレンダーの中で2番目に距離が長いレースとなっています。
レースには、現在のところ61台がエントリーしていて、そのうち31台がアメリカンルマンシリーズから、そして30台がWECへのエントリーとなっています。このため、今回のレースで成功を収めるためには最大限の集中力が求められます。全長6km弱のコースに多くのマシンがひしめく状況は、走行中のマシンの接触や事故発生のリスクが高いことを意味しています。

 アウディにとって今回のレースは、サーキットレース出場60回目という記念すべき大会です。そのような状況の中、アウディは2000年以降で10回目のセブリング12時間レース優勝に向けて走ります。2009年にリナルド カペロ/トム クリステンセン/アラン マクニッシュ組が9回目の優勝を獲得した際には、最長走行距離の記録を打ち立て、この記録は現在も破られていません。その時の彼らはAudi R15 TDIで2280.5kmを走破しました。

週末に向けてのトピック
・ 新規定のもとでも、ディーゼルパワーエンジンは今まで通りの競争力を発揮出来るのか?
・ Audi R18 TDIのような、昨年仕様のマシンに対して課される15kgのハンディキャップウェイトはいかなる効果を生み出すのか?
・ セブリングでもっともチャレンジングな走りを見せてくれるアウディ ドライバーは、誰か?

 今週末、セブリング12時間耐久レースでのアウディの活躍にご期待ください。

(このリリースは、ドイツ本国リリースの翻訳・抜粋です。)


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