カナダ・トロントで開催されているIZODインディカー・シリーズ第9戦。9日に行われた予選では、昨年のロード/ストリートチャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が強さを発揮し、今季5度目のポールを獲得。2番手にスコット・ディクソン、3番手にダリオ・フランキッティとチップ・ガナッシ勢が続いた。前戦ポールの佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は、19番手と下位に沈んだ。

 トロントでの予選、ファイナルステージ“ファイアストン・ファストシックス”に進んだ6人の戦いを制したのは、パワーだった。今年のロード、ストリート・コースでの予選は、これで5戦やって5戦ともポールポジションである。

「トロントのコースはバンピーな上、コースの場所によって路面のグリップが異なる。バンプをどう乗り越えるかや、縁石への乗り上げ方なども全部完璧じゃないとダメなんだ。ミスは許されない。しかし、ミスを冒しやすいコースでもある。だから走っていて楽しいし、良いタイムを出せて、ポールポジションを獲得できたことは本当にうれしい」とパワーは喜んでいた。

 彼にとって今季5度目のポールは、チャンプカー時代を含めるとキャリア21度目のポール。トロントでのポールは今回がパワーにとって初めてで。勝利はチャンプカーでの2007年と去年の合計2回挙げている。今回ペンスキーはアメリカン・オープンホイール参戦200戦目を迎えるが、明日パワーはトロントでの3勝目、今シーズンの4勝目を記録しチームの節目のレースを祝うことができるだろうか?

 0.0875秒差で予選2番手となったのはディクソンだった。「とてもスムーズに進んでいた予選だったんだけれどね。去年のベストよりも1秒近く速い59秒台で走れていた。しかし、ポールは逃すことになってしまった」と彼は語った。

 ファイナルではみんながユーズドのレッドタイヤを使っていたが、ディクソンとパワーは59秒台のラップを連発していた。ポール争いは彼らふたりによる一騎打ちとなっていたのだ。ディクソンは59秒7を3ラップ続けて出した。しかし、パワーは59秒6を2ラップ続けた後、59秒5台にまでラップを縮めてポール獲得を決定づけた。ディクソンは今季まだ未勝利。予選で2番手につけた今回は是非とも勝ちたいところだ。

 今回のレースを含めて9戦が残されているが、ランキングトップのフランキッティとの間には73点もの差がある。ランキング2位のパワーとの間にもポイント差も54点。早く差を縮めて行かないと、タイトル争いに加わることが難しくなってしまう。

 フランキッティは、予選のファイナルステージで1分の壁を破ることができずにいた。「ひとつのコーナーでミスをし続けてしまった。おかげでリズムに乗り切れなかった」とポール争いに絡んで行けなかった事情を語った。フランキッティは最後のアタックラップで59秒9000を出し、マイク・コンウェイ(アンドレッティ・オートスポーつ)を予選4番手へと押し下げ、3番グリッドを獲得した。昨年の王者は、またしてもダメージは最小限に納めたといった感じの戦いぶりだ。

 予選5番手はグラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)、6番手はオリオール・セルビア(ニューマン・ハース)のものとなった。レイホールの成長ぶりは目覚しい。そしてセルビアはどのレースでも素晴らしいパフォーマンスを発揮し続けている。
 
 佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は、予選の第一セグメントで敗退。順位は19番手となった。プラクティスからマシンの仕上がりで苦悶。予選には新たなセッティングで臨んだが、ラップタイムはレッドタイヤ装着でも1分を切れなかった。バンピーな路面でマシンが暴れているのだ。

 「明日のファイナル・プラクティスに向けてもう一度エンジニアとデータをよーく見直します」と琢磨は話していた。KVレーシング・テクノロジー・ロータスはバンピーなコースを苦手としている。ダンパーセッティングにおいて、まだまだトップチームとの間に大きな差があるということのようだ。琢磨のチームメイトたちは、トニー・カナーンが予選16番手、EJ.ビソは予選18番手。3人のラップタイムはほぼ変わらず、全員が第一セグメントで予選を終えた。

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