カリフォルニア州ロングビーチで開催されているIZODインディカー・シリーズ第3戦。20日に行われた予選では、 ここまで2戦不調だったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)が今季初のポールポジションを獲得。予選ファイナル進出を果たした佐藤琢磨(AJフォイト)は、4番手から決勝に挑む。
第39回トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチのポールポジションは、フランキッティが獲得した。インディカー250戦目を迎えたフランキッティが今季初、歴代8位タイとなるキャリア30回目のポールポジションを手に入れた。ロングビーチで1勝しているフランキッティだが、伝統あるストリート・イベントでのポール獲得は今回が初めてだ。
朝のプラクティスではサイモン・ペジナウ(シュミット・ハミルトン)が1分8秒0960という素晴らしいトップタイムをマーク。昨年のポールタイムをこの時点で18人が上回っていた。それも、ハードコンパウンドのブラックタイヤ装着を使用してだ。
ソフトコンパウンドのレッドタイヤで争われる予選は、かなりのハイスピードなものになるとの予想がなされた。昨日に比べると気温、路面温度ともに上昇は控え目だったこともあり、午後2時からの予選では1分7秒台が次々マークされる。
第1セグメントのグループ1ではジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン)がリヤウイングをルールに適合させるのに時間がかかり、予選アタックへとコースインした時にチェッカーフラッグが出されてしまった。ペジナウは6周もアタックしたが予選第1セグメントで敗退。開幕2戦の予選でファイナル進出を果たしていたペジナウのチームメイトでルーキーのトリスタン・ボティエも今回は第2セグメント進出さえ果たせずに終わった。
第1セグメントのグループ2では、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がスピン、赤旗の原因となって2ラップを剥奪され、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)もJR.ヒルデブランド(パンサー・レーシング)のアタックを妨害したとしてペナルティを科せられた。シモーナ・デ・シルベストロ(KVRT)はアタック・ラップ中に赤旗が出され、実力を発揮できなかった。
第1セグメントでは、グループ1ではフランキッティ、グループ2ではウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がトップをマークする。
第2セグメントでは今回スポット参戦のマイク・コンウェイ(RLLR)がトップタイム。彼に続いたのは第1セグメントでグループトップだったパワーとフランキッティ。4番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)で、5番手は佐藤琢磨、そして6番手はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が入った。
7番手で惜しくもファイナル進出を逃したのは開幕戦ウイナーのジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)。トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)もここで予選終了となっている。
今年から予選中にブラックとレッド、双方のタイヤを使うことが許されることとなったが、今日のファイナルではフランキッティ、琢磨、カストロネベスがまずブラックで走り、ラップタイムの確保とマシンとドライバーのウォームアップをしてレッドへとタイヤ交換する戦い方をチョイスした。他の3人はピットで待機し、セッション終盤にレッドでのみ走行、アタックする作戦を採用した。
フランキッティはブラックで2ラップを走り、レッドへとスイッチ。その4周目に1分7秒2379のベストをマーク、ハンター-レイをトップの座から弾き出し、ポールを獲得した。ふたりの差は0.0555秒しかなかった。予選3番手はパワー、予選4番手は琢磨となったが、ここまでがトップからコンマ3秒以内の僅差だった。
「これまでに多くのポールポジションを獲得してきたが、今日のポールを誇りと感ずる。競争力を高く保ち続けてきていること、これだけ実力が伯仲し、驚くべき接戦状態となっている中でのトップタイムだったからだ」とフランキッティは喜んでいた。
「第2戦の予選はかなり苦戦していた。それを考えると、今回の予選でポールを穫れた事は嬉しい。チームがそれだけ頑張ってくれたということだ。ホンダ・エンジンのパワーアップにも目を見張るものがある」とフランキッティ。
「2年前にパワーにポールを奪われたが、今日も同じぐらいのタイム差でポールを獲得し損ねた。100分の5秒差は、とても悔しい。しかし、肝心なのは明日。2番グリッドはいいスタート位置だ」とハンター-レイは語った。
琢磨は、「いい週末とできています。プラクティス3では少し苦しみましたが、予選に向けてのセッティング変更は正しく、レッドでもブラックでも安定して速いラップタイムを記録できています。2列目からスタートできる明日のレースはとても楽しみです」と話していた。
開幕戦セント・ピーターズバーグは予選2番手、第2戦バーバーの予選ではペナルティを取られたが、トップ6に入れるラップタイムを出せていた。琢磨は開幕から3戦連続して予選では上位の争いに加わっている。4番手スタートの琢磨は、初勝利も視野に入れたレースを明日のロングビーチで戦う。