昨年限りでF1を引退し、今季からはポルシェLMP1プロジェクトのワークスドライバーを務めるマーク・ウエーバーが、自身の公式サイト上でスポーツカー耐久レースへの挑戦について語っている。
昨年までレッドブルに所属していたウエーバーは今季、ポルシェ919ハイブリッドのドライバーとしてWEC世界耐久選手権のLMP1クラスを戦うことが決定している。ウエーバーは、F1とスポーツカー耐久レースの違いについて、肉体的にも精神的にも異なったものが要求されると考えているようだ。
「F1とはドライビングポジションも異なるんだ。F1ではより横たわる形になっているけど、スポーツカーではもう少し直立に近い形で座ることになる」
「耐久という点では、肉体的なものより、精神的なところが要求されると考えている。特にバックマーカーをパスするような場面では、集中のレベルは最高潮になるだろう」
またウエーバーは、昨年12月にポルシェ919ハイブリッドの初テストを行っているが、その体験は素晴らしいものだったと語っている。
「本当に嬉しい驚きだったよ。マシンのフィーリングへの期待値を低く見積もって臨んだんだ。F1カーよりかなり重く、ダウンフォースも少ないから、僕が慣れているものと比較するとレスポンスは悪いだろうと考えていた。だから本当に驚いたよ。5~6周のうちに、素晴らしいドライビングを楽しんでいた」
F1デビュー前の1998年と99年にメルセデスからル・マン24時間などに参戦した経験を持つウエーバーだが、当時と現在のプロトタイプカーは大きく異なっており、現在はよりF1に近くなっているのだと述べている。
「最大の違いは、90年代後半には電子デバイスやハイブリッドシステムがなかったことだ。(以前のマシンは)より古典的なマシンだったよ。シフトレバーは、ステアリングや全てのものから遠ざけられていた」
「でも今は、ルーフがあること以外はよりF1に近くなっている。それは最近の技術の進歩によるものだし、このカテゴリーには2000年代のF1から数多くのものが取り入れられている。だから、マシンは非常に速く、ラップタイムやペースもF1に最も近いカテゴリーになっているんだ」
ポルシェは、現在のところ6名のドライバーの組み合わせについては発表していないが、ウエーバーは今季、ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレーと組む形で919ハイブリッドをドライブするのではないかと見られている。