フォース・インディアのリザーブドライバーであるジュール・ビアンキは、ヘレスF1合同テスト3日目の午前中にクラッシュ、レギュラードライバーのニコ・ヒュルケンベルグは予定されていたこの日の初走行ができなくなった。
フォース・インディアの初回テストは、初日はポール・ディ・レスタ、2日目午前中はビアンキ、午後にディ・レスタが担当、3日目は午前中にビアンキが作業を行った後、午後に今年F1レギュラードライバーに復帰するヒュルケンベルグがVJM05の初走行を行う予定だった。
しかしビアンキは、シト・ポンスでリヤを滑らせてコースアウト、グラベルを抜けてタイヤバリアにヒットした。マシンのダメージはそれほど大きいものではなかったが、パーツを取り寄せる必要が生じたため、フォース・インディアは2回のインスタレーションランのみでこの日の作業を終えることになった。
「2回目のランで小さなミスをした」とビアンキ。
「タイヤが少し冷えていて、グラベルに向かってスピンし、右リヤホイールからウォールにヒットした」
「それほど大きな衝撃ではなかったが、マシンはダメージを受けた。僕のミスでチームは大量の時間と作業をロスすることになった。本当に申し訳ないと思っている」
ヒュルケンベルグは最終日に新車走行を初めて体験することになった。半日の走行時間を失った彼は、この日90周を走行し、タイムは7番手だった。
「今日はパフォーマンスを追及するわけではなく、周回を重ねて昨日の状態から挽回することを目標としていた」とヒュルケンベルグ。
「僕らはいいベースラインを手に入れることができたと思う。今日1日に満足していいだろう。シャシーのフィーリングはいいし、素晴らしいベースができたので、それを元に開発を進めていける。全体的に見てとてもポジティブだ」
クラッシュしてしまったビアンキに対して腹を立ててはいないとヒュルケンベルグは語った。
「こういうことはあるものだ。僕も似たようなことをしたことがある。本当に残念だし、失った時間を完全に取り戻すことはできない。でもこういうことは起こるものだということは理解できる。F1はトリッキーなスポーツだ。経験が必要なんだ」
「今日1日を目いっぱい活用した。僕らは前に進むだけだ。いいベースラインを用意できたけれど、改善の余地があり、やるべき仕事が控えているのも確かだ。自分のデータを他のマシンと比べてもいない。ポール(・ディレスタ)のデータともね。だからこれからデータを分析しなければならない」