今季はユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)やWEC世界耐久選手権の数戦に参戦しているクローン・レーシングが、来季からリジェJS P2でLMP2クラスに参戦することを発表した。
2007年からGTEクラスにフェラーリを投入している、トレーシー・クローン率いるクローン・レーシング。来季に向けてリジェJS P2をオーダーし、ジャッドエンジンを採用。USCCとWECの数戦に参加すると見られる。
今回発表されたドライバーは、現在60歳のクローンと、彼と長年組んでいるニック・ジョンソンのふたり。ただ、残るひとりのドライバーも追って発表されるということだ。以前デイトナプロトタイプをドライブした経験も持つクローンは、「全てのドライバーは速く走りたくなるものだ」と、LMP2参戦決定について語っている。
クローンによると、彼はこの夏、HPDエンジンを搭載したリジェをマニクールでテストし、その後リジェの投入を決定したということだ。
「2013年からジャック(ニコレ/オンローク代表)と話をしていた。私はほとんどのドライバーより背が高いから、決断にはマシンのエルゴノミクスもひとつの要因になった」とクローン。ちなみに、彼は13年の終わりにロータスT128・ジャッドのテストも経験している。
来季の計画については、「まだ(参戦する)シリーズは発表できないよ。スケジュールが分からないからね」とクローン。マシンは11月にデリバリーをされるということだが、クローンとジョンソンは、今月終わりにもマシンのテストを行うという。
また、クローンがリジェを購入することについて、マシンを供給するオンローク・オートモーティブ(OAKレーシングのコンストラクター部門)を率いるニコレは、「非常に嬉しいよ」と語る。ニコレは来季、リジェを最低でも4台供給したいと考えており、OAKによるLMP2への参戦をやめ、オンロークのカスタマーにこのクラスを任せることを視野に入れている。
「我々のクルマを良いカスタマーチームの手に任せたいと思っているんだ」とニコレ。OAKはといえば、昨年からLMP1クラスへの参戦を目論んでおり、マシンのデザインもすでに完成。ただ、未だエンジンサプライヤーが決定していないほか、金銭的な問題もあると見られている。
なおOAKは今季WECで、G-ドライブ・レーシングのオペレーションを担っているが、WEC富士、上海、そしてバーレーン戦にはモーガン・ジャッドで参戦することを明らかにしている。