今年のル・マン24時間で、ロイック・デュバルに代わって1号車アウディR18 e-トロン・クワトロをドライブしたマルク・ジェネは、LMP1クラスでのキャリアを継続することを目指しているようだ。
今年のル・マンでは、11日のフリープラクティスの序盤に、デュバルの駆る1号車がポルシェカーブでクラッシュ。デュバルに大きな怪我はないと伝えられているものの、彼にレース出場を強行させることで安全上の疑問があると判断されたことなどから、リザーブドライバーのジェネがトム・クリステンセン/ルーカス・ディ・グラッシとともに1号車をドライブすることになった。
また、スペアのモノコックを使用して一晩で組み上げられた1号車だったが、レースでは好走を披露。トラブルに見舞われる場面もあったが、最終的には2位を獲得した。ジェネは、今回のレースでは予想外のパフォーマンスを発揮できたのだと語っている。
「こんなパフォーマンスを見せられるとは思っていなかったよ。誰も思っていなかっただろうね」とジェネ。
「新たなマシンは僕のドライビングスタイルに合っていたんだ。燃費を最大限よくするためには、前を見て遅い車を捉え、追い越す場所を作る必要がある」
「トラフィックの処理をとてもうまくやれたと感じているんだ。以前はそれでタイムを失っていたんだけどね」
ただ、今年で40歳を迎えるジェネは、今年のWEC第2戦スパとル・マンでアウディのシートを得られず、リザーブドライバーとなった際、自らのプロトタイプカーでのキャリアは終わったと感じていたのだと明かした。
「もう終わったと思っていたんだ。でも、もう数年それが続けられるのだとすれば、続けない理由はないよ」
「(今回の走りで)アウディでのシートを得られるだけの働きを見せられているといいんだけどね」
とは言え、ジェネとしては、スパとル・マンでのみの起用を望んでいるようだ。ジェネはこれについて、フェラーリでの開発ドライバーとしての仕事があるため、その2レースの時間しか作れないためだと説明している。
2009年にプジョーでル・マン総合優勝を飾っているジェネは、12年にプジョーが撤退した後、アウディのリザーブドライバーに就任。テストで負傷していたティモ・ベルンハルトの代わりを務める形で3号車アウディをドライブ。その後、13年は3号車のドライバーに起用され、スパ戦、そしてル・マンステアリングを握った。
今季は、スパとル・マンでアウディのリザーブドライバーを務める傍ら、フィリペ・アルバカーキに代わってこの2戦にLMP2クラスのJOTAスポーツのドライバーとしてエントリー。ただ、デュバルがクラッシュを喫したことから、ル・マンではリザーブとして1号車のステアリングを握ることになった。