WEC世界耐久選手権のLMP2クラスにストラッカ童夢S103・ニッサンでエントリーしているストラッカ・レーシングは14日、今季のシリーズ開幕2戦を欠場することを明らかにした。5月末から始まるル・マン公式テストデーに向けて開発を行っていくという。
昨年まではHPD製のマシンでLMP1クラスに参戦していたストラッカ。今季に向けては童夢の新型車両『S103』にニッサンエンジンを搭載し、LMP2クラスにエントリーしていた。
そんなストラッカは、3月末のシリーズ公式テストを前にマシンのシェイクダウンを実施。公式テストは技術的な問題により直前で欠席となったものの、開幕戦シルバーストンのエントリーリストには名を連ねていた。
ただ、チームによると、先週ポール・リカール・サーキットで行ったプライベートテストで十分に走ることができず、開幕2戦を欠場してテストを続ける決断を下したという。
「シルバーストン戦に出ることができず、みんなかなりがっかりしているよ。マシンの能力を少し見てしまっているからなおさらだ」と語るのはドライバーのニック・レベンティス。
「ただ、単純にマシンはレースに向けての準備ができておらず、僕たちにはもっとテストが必要なんだ」
S103シャシーは昨年終わり頃にチームに届き、ストラッカは6カ月という期間の中でマシンを組み上げ、シェイクダウンにまで持ち込んだ。ただ、開幕戦に向けて数回のテストを行った中で明らかになった問題点に関して、童夢とストラッカのエンジニアは期間内には全て解決することができないかもしれないと判断。ル・マン公式テストデーに向けてマシンを開発することとなったという。
「2014年は、将来的なカスタマープログラムに向けての開発年度だから、問題を回避するのではなく、解決したいと考えているんだ」とレベンティス。
「マシンが開発中のこの段階でレースをしたとしたら、童夢とストラッカのこなしている多くの作業を正しく評価していないことになる。ストラッカは手抜きをしない。レースではなく、テストの中で我々の知っているS103の速さを引き出すことに集中しているんだ」
なお、今季WECのLMP2クラスでは、3月末の公式テストに参加したマシンは年間3基のエンジンを使うことができるが、不参加のマシンは2基でシーズンを戦わなくてはならない。この点も、開幕2戦欠場の決断に影響しているということだ。