4月5日に岡山国際サーキットで決勝レースが行われたスーパーGT第1戦岡山の決勝レース。決勝日のサーキットから、いくつかトピックスをお届けしよう。

●アウディジャパン社長来場。表彰台で結果残す
 今季のスーパーGT開幕に向け、アウディジャパンではR8 LMSウルトラで参戦するAudi Team Hitotsuyama、Audi Team Racing Techという2チームのカスタマーレーシングチームをサポートする。今季もアウディスポーツからのエンジニアサポートも行われ、万全の体制で参戦する。

 そんな2015年シーズンに向け、アウディジャパンでは大喜多寛アウディジャパン社長が岡山国際サーキットを訪れ、チームをメディア向けに紹介する時間を設けた。Audi Team Racing Techでのフォトセッションはあいにくの雨の中となってしまったが、Audi Team Hitotsuyamaでは写真のようなフォトセッションが実現した。

 充実の体制もあってか、2台のアウディはウエット路面で快走。Audi R8 LMS ultraが3位表彰台、Racing Tech Audi R8が4位を獲得してみせた。

●岡山県警がパレードラップを実施。思わぬアクシデントも……
 スーパーGTでは、2014年の鈴鹿戦から警察庁、各県警察の協力の下、交通安全啓発活動を展開している。モータースポーツを通じて運転技術の向上や安全意識の向上を呼びかけるべく始まった活動では、ピットウォーク中に警察車両の展示や、夜間の自転車等の走行の安全向上に役立つ反射板の展示等、さまざまな活動が行われ、ファンにも好評となっている。注目なのはパレードラップで、フォーメーションラップに先立ち、警察車両がスーパーGTマシンを先導する。

 スーパーGT第1戦岡山の決勝レースでは、地元県警察の岡山県警の10台の白バイと2台のパトカーが登場。女性隊員を中心に美しいデルタ編隊が組まれたが、GTマシンも苦戦するアトウッドコーナーでまさかの転倒が。それでも残った隊員たちにより、しっかりとパレードラップが行われた。

●未来の技術を体感
 スーパーGT第1戦岡山の決勝日、ピットウォーク中にトヨタ、ニッサン、ホンダの3社が協力して、エコカーや燃料電池自動車、電気自動車の理解促進活動が行われた。トヨタ・ミライ、ホンダFCXクラリティ、ニッサン・リーフ・ニスモ・パフォーマンスパッケージの3台が登場し、それぞれ高木虎之介、高橋国光、長谷見昌弘という監督たちがステアリングを握り同乗体験が行われたものだ。

 同乗体験のチャンスに恵まれたファンは、写真を撮ったりとかなり楽しんだ様子。ステアリングを握った高橋国光総監督は「すごくパワーがあるよね」と感心した様子だった。

●VLN事故について坂東代表が言及。GT3に溝付きタイヤ!?
 毎戦決勝日に行われるGTA定例記者会見。その質疑応答の最後に、GTアソシエイションの坂東正明代表が、先日開催されたVLNニュルブルクリンク耐久シリーズでのニッサンGT-RニスモGT3の事故について自ら言及した。

 この中で坂東代表は、「先週、ニュルブルクリンクで痛ましいアクシデントが起きました」と切り出し、地域性やコースの違いこそあるものの、FIA-GT3車両というものに対して、ドイツはもちろんヨーロッパでブランパンGTシリーズを運営するSROとも話し合いを行っていると明らかにした。

「我々の今のレギュレーションを変えるつもりはない」と坂東代表は言うが、速さを抑制する方法として、なんとGT3のスリックタイヤを禁止し、溝付きタイヤを導入するアイデアがあることを明かした。

「日本が先になるか、ヨーロッパが先になるかは分かりません。日本から発信してやろうか、というものもあります」という坂東代表。溝付きとは言えレーシングタイヤで、例えば市販スポーツタイヤのパターンを採用すれば、性能は保ちながらもプロモーション面での効果もある。

 これはすでにヨーロッパ、さらにWEC世界耐久選手権のGTE車両も含めた話だとし、「面積と溝をきっちり話をして、タイヤメーカーが異存のないタイヤ作りをしていきたい。遠い将来の話かもしれないが、モータースポーツがどの方向を向いていくのかについて、ヨーロッパとGT3というカテゴリーについて話し合い、モータースポーツへの対応の仕方を一緒になって、認知度向上へ繋げていきたい」と語った。

 GT3車両の今後について、非常に興味深いコメントと言えるだろう。

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