May 21 2011, QUALIFYING
IZOD IndyCar Series 2011 Indianapolis 500
2011年5月21日(土)
予選第1日 ポール・デイ
会場:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
天候:曇りのち雨のち晴れ
気温:20~26℃
記念すべき100周年レースのポールポジションは
アレックス・タグリアーニが獲得
佐藤琢磨は決勝進出をほぼ確定させる10番手タイムを記録
今年で100周年を迎える世界最大のレース、インディ500の予選がインディアナ州のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで盛大に行われ、アレックス・タグリアーニ(Sam Schmidt Motorsports)がキャリア初となるインディ500でのポールポジション獲得を果たした。今年が3回目のインディ500出場となるタグリアーニにとって、これまでの予選でのベストリザルトは昨年の5位だった。カナダ人ドライバーのインディ500ポールは史上初めてで、Sam Schmidt Motorsportsにとってもインディ500でのポール獲得は初めてとなった。
午前11時に曇り空の下で始まった予選は、ドライバー1人ずつが全長2.5マイルの超高速オーバルコースを4周連続で周回する方式だ。その平均時速で決勝のスターティング・グリッドを決するのが、インディの伝統あるスタイルだ。
予選は午後4時までが第1段階。そこまでにエントリーしている40人全員がアタックを行った。そして、トップから9位までの平均スピードを記録したドライバーたちが予選の第2段階へと進んだ。タグリアーニは最初のアタックでマークした226.954マイルにより、トップで予選第2段階(ファスト9)へと駒を進めた。
夕方の4時半から1時間半の予選第2段階は、ポールポジションをかけた戦いだ。しかし、雨が降ったために予定の4時半ではなく、5時25分に走行は始まった。9人のドライバーたちは、最大2回のアタックが許されるルールなのだが、開始が遅れたために6時の予選終了時刻までには全員がアタックを終えられないと判明。9人が1回のアタックを完了するところまで予選時間を延長し、一発勝負でポールポジションから9番手までのグリッドを決することとなった。
予選第2段階で走る順番は、第1段階で9位だったドライバーから。トップだったドライバーは最後に走るルールだ。第1段階が8位で、2番目にコースインしたオリオール・セルビア(Newman/Haas Racing)は、平均時速227.168マイルをマークした。これを8番目にアタックしたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が平均時速227.340マイルを出して逆転を果たした。しかし、最後のアタッカーとしてコースインしたタグリアーニは、予選第1段階でトップを取った時と同じように自信あふれる走りを4周にわたって続け、平均時速227.472マイルというすばらしいスピードによって初のポールポジションを獲得した。
昨年、ルーキーとしてインディ500に初めて挑戦した佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、4周の平均時速224.178マイルをマークして31番グリッドからレースに出場した。今年の彼は平均時速225.736マイルまでスピードを伸ばし、4列目イン側の10番手に食い込んだ。惜しくもファスト9進出は逃したが、これで決勝進出はほぼ確定した。ベテランのチームメートたちを上回るスピードを記録してのトップ10入りは、2年目のパフォーマンスとしては高い評価が与えられるものだ。
予選初日で決定するのは24番手までのグリッド。25番手から33番手までのドライバーは、明日の予選2日目に再びタイムアタックを繰り広げることになる。ただし、今日の決勝進出が完全に確約されるのは9番手までに入ったドライバーたちまで。明日の予選で33グリッドが一端埋められると、次に速いスピードでのアタックを完成したドライバーが現れるたびに、33台の中で最も遅いスピードの保持者が弾き出される。それがインディ500の予選でだけ見ることのできるバンプアウトだ。今日の予選で15番手以下のグリッドしか獲得できなかったドライバーたちは、明日バンプアウトされる可能性があるということだ。弾き出されたドライバーは、あらためてアタックを行い、グリッドを取り返すことを目指す。明日の予選は正午のスタート。グリッド争奪戦は天候の許す限り、夕方の6時まで続けられる。
コメント
アレックス・タグリアーニ(ポールポジション)
「今日、こうして100周年のインディ500でポールポジションを取ることができた。その喜びを言葉にするのは難しい。ここまでの僕のレースキャリアには、多くの犠牲が払われ、涙があり、痛みもあったからだ。僕らのチームのクルーたちは、大きな情熱をもってオフの間からマシン作りに励んでくれていた。僕というドライバーの能力に賭け、仕事を引き受けてくれたチームマネジャーとエンジニアにも深く感謝している。予選ではすばらしい結果を得ることができた。決勝でもそうできることを目指したい」
スコット・ディクソン(2番手)
「最初のアタックではハンドリングが少しだけだがオーバーステアだった。1周目のターン3でマシンが滑り、アクセルを緩めなくてはならなかった。夕方のファスト9の予選は、残念ながら2位となった。ポールポジションを逃したのは悔しい。天候のために1回しかアタックができなかったのが心残りだ。もう1回アタックしたかった。しかし、僕らはレース用セッティングが非常にいいと思うので、来週のレースではいい戦いができると信じている」
オリオール・セルビア(3番手)
「予選の第1段階で9位に入れたことに驚いた。第2段階に臨むにあたり、チームは持っているものをすべて注ぎ込むと決意し、実際に走ってみるとすばらしいマシンとなっていた。Newman/Haas Racingという名門チームが見事な力を発揮した。彼らを誇りに思う。そして彼らに僕は深く感謝したい。インディ500をフロントローからスタートできるなんて信じられないぐらいだ」
佐藤琢磨(10番手)
「プラクティスから予選にかけて、自分たちが用意したプログラムをしっかりと消化し、予選でも力を出しきってチームのベストグリッドを獲得できました。自分たちは昨年とは比べものにならないぐらいの大きな進歩を遂げていると思います。明日の練習走行と来週金曜日のファイナルプラクティスでは、トラフィックの中での練習をして決勝レースに臨みます。自分の中にもうイメージはできています。まだレース用のセットアップがよくないので、明日からの短い時間でそれを進歩させるのが課題です」