今月23日から始まるユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)開幕戦デイトナ24時間に向けて、デイトナプロトタイプ(DP)のパフォーマンスを抑制する形でBoP(性能調整)が実施されることが分かった。

 アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)とグランダム・シリーズの統合により新シリーズとして立ち上がったUSCCでは、最高峰のPクラスの中で、DPとLMP2、そしてデルタウイングDWC13が戦うことになる。

 ただ、DPとLMP2間のBoPが整わないまま今月はじめに開催された公式テストでは、3日間を通してDP勢が上位を独占する形となっていた。今回の発表では、公式テストの結果を鑑みて、DP勢のリストリクター径が約3.5%縮小されることになった。

 USCCを運営するIMSAのテクニカル部門の代表を務めるスコット・エルキンズは次のように語っている。

「バランスが十分に取れていなかったんだ。DP勢の出力を抑えて、LMP2との少しのギャップを埋めようというのが我々が行っていることだ」
「比較的大きなラップタイム差があって、トップスピードの点でも差があった。出力の調整によって、少しでも釣り合いが取れることを願っているよ」

 チームやエンジンサプライヤーは、今回のBoPによりエンジン出力が5%ほど低下し、最高時速にして3~5マイルの影響があるとみているようだ。自身のチームからコルベットDPを参戦させているウェイン・テイラーは、IMSAのこの動きに幻滅したと語っている。

「少し幻滅している。我々は、LMP2と同等に速い新たなマシンを効率的に組み立てる必要があった。そして今、我々はそれを遅くするために資金を使わなくてはならない」
「この動きで、LMP2に明確なアドバンテージを渡すことになると思う」

 一方でIMSAは、テストでLMP2がDPよりも3ラップ多く周回していたことから、LMP2の燃料搭載量を抑制。LMP2のタンク容量は、ACOの定める75リットルから、72リットルまで減少する形となった。SKYACTIV-Dエンジンを搭載するマツダのタンク容量は70リットルとなった。

 これにより、DPとLMP2の1スティントの長さは同等のものになるとみられている。DP勢のタンク容量は76リットルとなっているが、最大搭載量までの給油にかかる時間は、両者とも同等になるように調整されるということだ。

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