デルタウイングのクーペバージョンが、9月21日に行われるアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)第8戦オースティンに参戦する。また、来年スタートする新シリーズ向けのカスタマーカーとしても販売されるという。
3月のALMS開幕戦でモックアップが公開されていた“デルタウイング・クーペ”が、ついにレースデビューを果たすことになった。
クーペ化にあたっては、現在のアストンマーチンAMR-Oneのモノコックに代わって、エラン・モータースポーツ・テクノロジーが製造したモノコックが使用される。また、レースに向けて、今月末に初のテストを行う予定だ。
デルタウイング・レーシングチームのチーム監督、デイブ・プライスは次のように語っている。
「オースティンでクーペをレースに出す計画だ。より優れたパッケージを施しただけのほぼ同じマシンだから、問題が起こるとは考えていないよ。エンジンの冷却もよくなるだろう」
ドライバーは、現在もデルタウイングをドライブしているアンディ・メイリックとキャサリン・レッグから変わらず、ALMS第9戦バージニアと最終戦プチ・ル・マンにも参戦する予定。ただ、8月末に行われる次戦ボルチモアはチームとして欠場する。
また、このデルタウイング・クーペは、ALMSとグランダムが統合されて2014年からスタートする新シリーズ『ユナイテッド・スポーツカー・レーシング(USCR)』向けのカスタマーカーとして販売される。このUSCRでは、ALMSのLMP2とグランダムのデイトナプロトタイプ、それにデルタウイングを加えたものが『プロトタイプ』クラスとなる。
デルタウインググループは、販売用としてすでに3つのシャシーを製造したと発表したが、エンジンとローリングシャシーを合わせたカスタマーカーとしての販売価格は、現在のところ公開されていない。
チーム監督のプライスは、ワークスチームがUSCRの開幕戦、デイトナ24時間に参戦し、その後もシリーズへの参戦を続ける予定だと語った。
「デイトナ24時間に参戦する計画だ。我々がレース参戦を続ければ、開発の面からカスタマーの利益にもなる。問題は何もないよ」