2012年からル・マン24時間耐久レースをはじめとするWEC世界耐久選手権に参戦するトヨタは、当初WECヘの参戦は限られた数戦としていたものの、計画を拡大しシリーズエントリーすると明らかにした。
トヨタは新たに開発したハイブリッドシステム搭載のスポーツプロトタイプカー、TS030ハイブリッドで2012年からル・マン24時間、そしてWECのうちスパ戦や富士戦などには参戦することが明らかにされていたものの、シリーズ選手権ポイント獲得に必要だった全戦出場義務をクリアすることは予定されていなかった。
しかし3日、トヨタはWECにシリーズエントリーを行うことを発表。WECの出場要件が急遽変更になったため、シリーズエントリーを決定したという。2012年からスタートするWECにとっては、プジョーが撤退を決定したため、トヨタの参戦拡大は嬉しいトピックスとなりそうだ。
トヨタは開幕戦のセブリング12時間には間に合わないものの、第2戦スパに1台が参加。ル・マン24時間では2台、その他の体制については今後決定次第発表するという。ル・マンの2台目のドライバーについては、近日中に発表されるとのことだ。
今回の参加決定について木下美明チーム代表は、「選手権を取り巻く状況はここ半月ほどで大きく変化した。トヨタ・レーシングは耐久レース復帰初年度ということもあり、今シーズンは限定的な参戦にとどめるつもりだった」と語る。
「しかし、WECの継続と将来のためにも、FIA及びACO(フランス西部自動車クラブ)と協力していくことが重要だと判断した。我々はシリーズで予定される8戦全戦への出場は叶わないが、WECを戦い抜くために、最大限の努力を惜しまない。2台のTS030ハイブリッドとともに臨むル・マン24時間レースを含め、エキサイティングなシーズンを戦えることを楽しみにしている」とシリーズへの決意を語った。