トヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)は14日、2012年からハイブリッド搭載のLMP1カーで、ル・マン24時間耐久レースを含む世界耐久選手権(WEC)の数戦に参戦することを正式に発表した。
2009年のF1撤退以来、長年噂になっていたトヨタのスポーツカーレース参戦がついに現実となった。ドイツ・ケルンで長年F1活動を担ってきたTMGが、LMP1のプロトタイプカーを製作。日本のトヨタ自動車で開発したハイブリッドパワートレインに、ガソリンエンジンを組み合わせて参戦する。
活動を進めるのはケルンのTMGで、LMP1シャシーの開発と生産を担う。マシンは2012年前半にロールアウトされ、12年序盤はテストに費やされるという。詳細は後日発表される予定だ。
「トヨタ自動車はこれまでもル・マンに参加したことはあるが、ハイブリッドでの挑戦はトヨタにとってまったく新しい挑戦になる」と語るのは山科忠TMG会長兼トヨタ自動車専務取締役。
「我々はハイブリッドテクノロジーを通じて、ル・マンと世界耐久選手権に新しいページを記す。それに加えて、このようなチャレンジングなモータースポーツへの参戦を通じて、市販車へのフィードバックに活かすつもりだ」
「ル・マンはとても伝説的なレースだ。この数ヶ月、参戦に向けて協力してくれたACOとFIAには感謝したい。なお、数々の賞を受賞したTMGの現在のエンジニアリングサービスは、この活動の影響を受けることはない」
TMGは今回の発表に合わせて、ハイブリッドシステム搭載のLMP1カーのイメージイラストを公開した。流麗なクーペボディに、TMGのイメージカラーがあしらわれている。日本メーカーとしてはひさびさのル・マン本格参戦。巨人トヨタとアウディ、プジョー、そして将来の参戦を明らかにしたポルシェとの戦いが実現することになりそうだ。