2009年F1第7戦トルコGPの決勝が終了し、表彰台に上った3人のドライバー、ジェンソン・バトン、マーク・ウエーバー、セバスチャン・ベッテルをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。
2009年F1第7戦トルコGP日曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝13位
全く何事もないレースだったけれど、自分自身では楽しくやれたよ。燃料をたくさん積んでスタートしたが、ひたすらプッシュした。だから笑顔でいられる。自分の力をすべて出し切って走ったと思っているからね。毅然とした態度で努力し続けることが僕らにとって一番大事なことだ。今後の僕の役割は、今年のマシンの問題を取り除き、来年のマシンをできる限りいいものにするよう、チームの手助けをすることだと思っている。チームが勝てるクルマを用意してくれれば、僕は勝つことができるだろう。次はシルバーストンだ。ジェンソンの成功を心から祈っている。彼は今日素晴らしい仕事をしたね。僕個人としては、ホームレースで母国のファンから感動をもらえればと思っている。僕を応援するのを諦めないでくれれば嬉しいな。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝14位
チーム全員にとって精神の鍛錬となるようなレースだったよ。レース序盤はマシンの力を最大限まで出し切ったから、満足している。ルーベンスといいバトルもしたしね。ハードでありながらフェアなレースをするのはすごく楽しいし、自分より速いマシンを、昔ながらの戦法とKERSの両方で後ろに押さえ込むことができて、すごく満足しているよ。最後のスティントでは、エンジニアがエンジンをセーブするために回転数を抑えるという決断をした。こういう状況だけど、現実的に行動しなければね。14位フィニッシュだったが、もっといい結果を出せるということは僕ら全員が分かっている。過去には素晴らしい時期もあったのだから、将来また素晴らしい日々が送れるよう、プッシュし続けていくよ。
3 フェリペ・マッサ(フェラーリ) 決勝6位
とても厳しい一日だった。6位が僕らには精いっぱいの結果であるという事実を受け入れなければならない。僕らより前のマシンと戦うほどの速さはなかった。パフォーマンスにおいて不足している部分を補うため、マシン開発を今後も推し進める必要がある。シルバーストン戦からそれを始めなければね。金曜からタイヤをうまく機能させる方法を見つけるのに苦労した。たとえば今日は、ソフトは昨日までよりもよく機能したようだが、スタートから使うのはリスクがあったと思う。昨日まではデグラデーションがかなりひどかったようだからね。
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝9位
僕らが期待していた、あるいは望んでいたようなレースには全くならなかった。僕にとっては1周目が決定的だった。貴重な順位をいくつか失い、今日の僕らは十分な速さがなかったために、挽回することができなかった。この数週間でパフォーマンスはかなり向上したけれど、ベストといえるレベルには至っていない。今回のようなコースでは特にそうだ。挽回するのは決して楽ではない。他のチームもその間、開発をストップしているわけではないからね。こんな週末になったけれど、ネガティブになってはいけない。今後も集中し、プッシュし続けていかなければならない。僕らは上位を狙えるようなところまですぐに復活できるはずだよ。簡単ではないだろうけど、僕はこのチームを信頼している。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝7位
ようやくポイントが獲れてよかった。今日はいいレースをしたと思う。ペースはよかったし、ミスもしなかった。とてもハードなレースで、ほとんど常に誰かがすぐ後ろで走っており、ほんの小さなミスでポジションを落としかねない状況だったんだ。ペースを保って走るのがとても大変だった。でも7位でフィニッシュできたというのは、明らかに進歩だし、僕らはこの開発スピードを維持していかなければならない。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝11位
僕にとって今日のレースは期待外れだった。序盤にマシンにトラブルが出たせいで、すべてのチャンスを失った。フォーメイションラップの時点で、マシンが片側に引っ張られる感じになり、左フロントタイヤにグリップが全くないのに気付いた。ブレーキを優しく踏んでもそれは変わらなかった。スタート自体はうまくいき、9番手になったけれど、序盤のコーナーでトラブルのためにまっすぐ行ってしまい、たくさんのマシンに抜かれた。セカンドスティントとサードスティントでは状況はよくなったけれど、入賞を狙うにはもう遅すぎた。でもマシンが全体的によくなってきて、チームがまたポイントを獲得できたというのは、いいことだよね。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝10位
ポイント圏内でフィニッシュできず、当然がっかりしている。でも正直言って、今日はこれ以上の結果を期待するのは無理だった。どこよりも少ない燃料で、8番グリッドからスタートしたことで、僕らは不利になった。最初のピットストップの後には、上位勢のペースについていけなかったんだ。僕らは早急に改善を果たす必要がある。シルバーストンでいくつかの変更を導入する予定だが、これによって、十分なポイントを獲ることができるようになり、シーズン後半の自分たちの状況が変わることを願っている。
8 ネルソン・ピケ(ルノー) 決勝16位
とても単純なレースだったが、僕の運命は昨日の予選のトラブルで決まってしまっていた。それによって戦略をうまく機能させるのが難しかったんだ。マシンは好調で、いくつか楽しいバトルもあった。ハミルトンとバトルをして、彼の前に出ることができた。でも最終結果は不本意なものだった。それでもシルバーストンまでには状況を改善できるという自信を失ってはいない。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝4位
レース結果にもクルマにも満足している。パフォーマンスの向上のために頑張って働いたので、表彰台を狙う位置に戻ったことは大変嬉しい。今週末は、エンジニアを含めチームで改良を重ねた結果、スタートに成功し、第1コーナーでふたつも順位を上げた。ただ、1周目でブレーキ不足にとても苦しみ、4番手に下がってしまった。その後はリズムよくラップを刻み、ニコ・ロズベルグと激しく競い合った。最初のピットストップで、彼に前に出られたが、すぐに立て直し、2回目のピットストップで追い抜いた。路面にゴムが乗ってくると、最後まで競争力を高く保ちながら、上位争いができて楽しかった。今週金曜日より感触がよく、適切なセットアップが見つかった。再び高いレベルで競い合うようになり、嬉しい限りだ。
10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝8位
13番手グリッドからポイント圏内でのフィニッシュはたやすくはなかった。スタート直後はうまくいったが、第1コーナーで渋滞につかまり、他のクルマに押される形で外に出た。ここで順位を少し落とすことがなければ、もっといい結果だったかもしれない。だけど、クルマの調子は良く、また燃料補給も素早かったので、ポイントを取れたことは嬉しい。F1で好位置を得るのは難しいが、僕らの戦略は正しくて、ピットストップも素晴らしかった上に、セットアップもうまく機能したので、チームに感謝したい。ポイント獲得という決勝前の目標を達成できて満足だ。次のレースではもっと上を目指したい。
11 セバスチャン・ブルデー(トロロッソ) 決勝18位
最後尾からスタートすると、レースは難しくなるものだ。スタート後、フィジケラはトラブルを抱えているようで、挙動がおかしかったので、リスクが大きすぎて追い抜きをかけることができず、そのせいで1周目に3~4秒ロスした。燃料をかなりたくさん積んだ状態でうまく走らなければならず、その後は単独走行になった。長いセカンドスティントをオプションタイヤで走るのも楽ではなかった。僕らは、セーフティカーが出動するなどして順位を上げられることを期待して、1回ストップを選択したんだ。週末を通して僕らに速さが足りなかったのは明らかだ。それでも前向きに、シルバーストンではどうやってインプルーブするかを考えなければならない。次回はマシンにいくつか小規模なアップデートを施す予定なんだ。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝15位
タフだったが、いいレースができた。全力でプッシュしたよ。今日の僕らは昨日までより少し競争力が上がっていたようだ。僕らは前向きな気持ちでいかなければね。僕としては、前の2戦を考えると、今日は完走することができたし、走行距離を稼ぐことができ、いい経験になった。僕らにはやらなければならないことがふたつある。予選では何が悪かったのかを正確に分析することと、できるだけ早くマシンをアップデートすることだ。次の2戦でベストを尽くさなければならないが、その後ハンガリーで大きな改良を導入したいと思っている。引き続き頑張っていかなければね。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝2位
いいレースだった。ファーストスティントでできる限り踏ん張らなければならないことは分かっていた。とてもうまくいき、1周長く走って燃料をセーブすることに成功した。そのおかげでタイムを稼げたよ。セバスチャンの戦略は知っていたし、自分が表彰台フィニッシュのチャンスをうかがいながら走っていることも承知していた。セバスチャンも僕も、優勝は無理だと分かっていたので、ジェンソンの後ろでフィニッシュするのは誰なのかというのが問題だった。ジェンソンは別次元だったからね! そういう状況だったから、セカンドスティントは重要だった。必死にプッシュする必要があったんだ。戦略が違う場合、ピットストップが終わるまで、相手はほとんど見えないものだ。でも僕らの場合はよく分かっていて、僕のエンジニアは状況を逐一報告してくれていた。ミドルスティントで頑張って、ピットストップでセバスチャンの前に出た。その後終盤はエンジンをセーブし、フィニッシュまで持っていった。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝3位
スタートはうまくいって、リードを保ったけれど、その後1周目のターン9と10でコースアウトしかけた。あれは自分のミスだ。そこはすごく難しいコンディションで、2周目にも同じことをしそうになった。かなりトリッキーだったよ。でもあれがなくても大きな違いはなかったかもしれないね。今日のジェンソンはあまりに速かった。あの後、戦略を2ストップに変えるのかと思ったけれど、そうではなかった。セカンドスティントでは僕より燃料をたくさん積んだジェンソンに引っかかり、そのせいでマークに前に出られてしまった。でもチームにとってはいい結果だ。2位と3位なんだから満足していいよね。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝5位
5位には満足しているし、こういういい結果を出せて、チームのためにも嬉しく思う。すごくいいスタートを切って、1周目の終わりにはポジションを4つも上げられた。理想のスタートができたので、エンジニアに感謝したい。その後トゥルーリの前に出るためにプッシュした。自分のペースがよかったのでやれると思ったけれど、今日は彼のマシンの方が速かった。この勢いを保って、毎戦ポイントをあげていければいいね。今の時点では、僕らはコンスタントにトップ8に入れると言っていいと思う。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝12位
いいスタートをして、1周目をとてもいい形で走れた。2回目のピットストップまではすべてが順調だった。僕のここまでのキャリアの中でベストレースといっていいほどだったので、あんなことが起こって本当に残念だった。でも基本的に僕らは今日コンペティティブだったし、素晴らしいマシンとしっかりした戦略を用意してくれたチームに感謝したい。そのおかげでコース上でライコネンやアロンソを負かすことができた。僕らはピットストップでの今回のミスから学ぶ必要がある。そして次回はもっといい結果を出せることを願っている。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝17位
15番手スタートだったから、もっといい結果を期待していたかもしれない。スタートでふたつポジションを落としたが、すぐに取り返した。レースペースはとてもよく、マクラーレンやブラウンとコース上でエキサイティングなバトルをすることができた。楽しかったよ。バリチェロとのことはたいした問題ではなかった。あるコーナーで彼に接触されたが、僕は自分のポジションを守っていただけだ。面白いレースだったよ。マシンバランスもレースペースもとてもよかった。結果だけが期待外れだったけど、それでも週末全体を考えればとてもポジティブな週末だった。
21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 決勝リタイア
今週末はブレーキにいくつか問題が発生した。なんとかしようとしてブレーキシステムをすべて換えたが、今日は問題は悪化しており、マシンがほとんど完全にロックしていた。いいスタートを決め、レース序盤は周囲のマシンと戦える状態だったが、その後ツイてないことに、ブレーキペダルがどんどんロングになっていき、ピットに戻る決断を下した。コースに復帰できるかどうかチェックしたが、結局はリスクが大きいということでリタイアせざるをえなかった。レースを楽しんでいたのに、コースでこんな不運に見舞われるなんて、残念だ。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝1位
今日はチーム全員を表彰台に上げられたらよかったのにと思うよ! サーキットに来ている人々、ブラックレーとブリックスワースのメルセデス・ベンツ・ハイ・パフォーマンス・エンジンズの人々全員にとっての勝利だからね。今日はこのマシンとエンジンの能力を証明することができた。最大のライバルたちを正々堂々と打ち負かすことができて、最高の気分だ。グリッドはコースのダーティな側だったけれど、いいスタートを切ることができた。1コーナーに2番手のポジションを守って入っていくのはすごく重要なことだったんだ。1周目、セバスチャンがワイドになった時にチャンスを見逃さず、その後はレースをコントロールすることができた。セバスチャンが3回ストップだと知ったので、僕らは最初のストップで満タンにして、彼を前に出さないよう、できる限り安定した走りをするよう心がけた。相手が燃料をあまり積んでいないと知っていても、あっという間に後ろから近づいて来られると、あまりいい気持ちはしない。でも、彼はピットインし、僕はもっとプッシュできるようになった。今日は毎周笑顔で走れたよ。マシンの感触はとてもよかったし、最後のスティントはエンジンをセーブするためにペースを緩めることができた。僕にとってマシンが正真正銘パーフェクトだったのは、これが初めてだ。マシンの性能が素晴らしいということが分かるのは、チームにとってとても意味のあることだよ。選手権をリードしてホームレースのシルバーストンに向かうのは、素晴らしい気分だ。でもこのアドバンテージを維持するためにプッシュし続けなければならないことを、僕らは承知している。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝リタイア
今日は厳しく、本当に悔しい一日だった。スタートでクラッチに問題が出て、マシンがアンチストールモードに入り、スタートできなかった。それで後方に順位を落とし、さらに厄介なことに、ストレートでリミッターに当たってしまい、そのせいでオーバーテイクができず、リスクを冒さなければならなくなった。だからレース前半はいろいろなことが起こった。トラブルの埋め合わせをしようとして、他のマシンと何度かアクシデントが起きた。挽回を狙っていくつもりだったが、序盤のトラブルによってギヤボックスにダメージが生じ、それが悪化し始めたので、チームは僕のマシンをリタイアさせざるをえなかった。マシンのペースが素晴らしいことが分かっていながらこんな一日になるなんて辛いけれど、僕らは挽回するよ。シルバーストンは大好きなサーキットのひとつだから、ポジティブな気持ちを失わず、2週間後のイギリスGPに向かう。