12日に開幕するWEC世界耐久選手権第7戦富士に、1号車アウディR18 e-トロン・クワトロのドライバーとして参戦するブノワ・トレルイエが、ひさびさの日本を楽しんでいること、そしてアウディR18 e-トロン・クワトロで富士を走った体験について語っている。

 トレルイエは2000年に全日本F3に参戦するために来日し、その後は一時帰国しようとしたものの、2002年のJGTCで星野一義が現役引退を発表したため、そのシートに収まる形でJGTCに参戦。以降フォーミュラ・ニッポン、スーパーGTで数多くの勝利を重ね、2006年にFニッポンチャンピオンを、08年にスーパーGTチャンピオンを獲得した。

 2011年までニスモのドライバーとしてファンからも愛される存在だったトレルイエは、2010年から加入したアウディのドライバーとして、今季はヨーロッパに活動の場を移しWECに参戦。1号車を駆り現在ランキング首位で、再び日本に戻ってくることになった。

「東京には月曜の朝に着いたんだ。興奮しすぎて飛行機の中で眠れなかったんだよ!」と自身のニュースレターの中で綴るトレルイエ。

「日本に来るのは去年の12月以来だからね。本当に日本が恋しかったんだよ。成田空港でレンタカーのカウンターに行くのはすごく違和感だった。駐車場に自分の車が置いてあるのが普通だったんだからね。すごく不思議な感覚だったよ」

 トレルイエは日曜のWEC第7戦に来られない日本の友人を訪ねた後、火曜の夜に富士へ。そこでアンドレ・ロッテラー、マルセル・ファスラーらを伴って、御殿場在住時代に自宅のすぐ近くにあった鉄板焼き屋『瑞季』で、ひさびさの日本食を楽しんだ。この『瑞季』はインパル星野監督も行きつけで、トレルイエは「星野さんがいつも頼むコース」を頼むという。

「2年間御殿場に住んでいたからね。この近所はだいたい知ってるよ。この鉄板焼き屋さんに入った後、いつも寡黙なご主人が、僕の妻メラニーと、息子ジュール・カズキについて『元気にしてる?』と聞いてくれたんだ。覚えていてもらって本当に嬉しかったよ!」と御殿場での再会を喜んだトレルイエ。スーパーGT参戦時にはMOTUL AUTECH GT-R、PETRONAS TOM'S SC430とメーカーもチームも異なる間柄だったロッテラーとの行動も違和感があるようだ。

「アンドレと富士に行くのも昔と違って変な感じだよね。日本で戦っていた時は別のホテルに泊まって、別の車で行ってたんだから。後ろでマルセルが驚いている間、知っている近道についてアンドレと口論していたよ!」

「マルセルに日本を見せられて嬉しいよ。僕が日本を離れて少し経つけど、僕には日本がやっぱりホームだと感じられる。もちろんアンドレも同様だと思うけどね」

 トレルイエはまた、スーパーGT、フォーミュラ・ニッポンを観戦に来てくれていたファンとの再会を楽しみにしているという。

「今の富士はまだ静かだけど、たくさんの人が週末観戦に来てくれると願っているよ。先週はF1日本グランプリがあったし、今週はツインリンクもてぎでMotoGPもある。ファンのみんなは忙しい10月になっていると思うんだ。でも、僕はまたみんなに会えるのを本当に楽しみにしているよ」

 すでに水曜日、富士スピードウェイではWECの走行が行われ、1号車アウディはトップタイムをマークした。

「富士スピードウェイはすごくテクニカルだからね。でも、僕たちのアウディは1コーナーでのブレーキングは素晴らしかった。僕は1コーナーであんなに遅くブレーキングしたことはなかったよ! 実際、今までのブレーキングポイントをいくつか忘れ去らなければならなかった。僕たちは昨日のテストで、3人がそれぞれ仕事を終えることができたよ」

 現在ランキング2位のトム・クリステンセン/アラン・マクニッシュ組に13.5ポイントのリードを保つトレルイエ組にとって、日本でのレースは初のワールドチャンピオンに向けて重要なレースとなる。

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