ニッサンは21日、2014年のル・マン24時間耐久レースに、環境技術を志向した車両が参加できる特別枠“ガレージ#56”から参戦するゼロエミッション・オンデマンド・レーシングカー『ニッサンZEOD RC』のテストドライバーに、ルーカス・オルドネスを起用すると発表した。
ニッサンZEOD RCは、来季のル・マン24時間に参戦を目指すレース用電動パワートレインを搭載した車両で、ニッサンの電気自動車、リーフのリチウムイオンバッテリー技術を活用し、時速300km以上のスピードを実現。ニッサン/ニスモが運営するチームが開発し、2012年にニッサン-デルタウイングをデザインしたベン・ボールビィがダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションとして開発を担う。
そんな近未来のレーシングカーと言えるニッサンZEOD RCの最初のテストドライバーに任命されたのは、ニッサンがゲーム『グランツーリスモ』とともにスタートさせたドライバー育成プログラム、『ニッサンGTアカデミー』の初代チャンピオンで、ル・マン24時間でもLMP2クラス表彰台獲得の実績をもつオルドネスだ。
オルドネスは今季、FIA-GTシリーズとブランパン耐久シリーズを主戦場としニッサンGT-RニスモGT3をドライブしているが、その他にも『ニスモ・グローバルドライバーエクスチェンジ・プログラム』を活用しオーストラリアV8スーパーカーをテストしたり、スーパーGTに参戦したりと、多くの経験を積み重ねている。また、2012年にはALMS最終戦でニッサン-デルタウイングのステアリングも握った経験がある。
「信じられないよ。2012年のALMSプチ・ル・マンでベン・ボールビィやニッサンの皆と働いたことがあるだけに、これは素晴らしいニュースだ」とZEOD RCのテストドライバー就任を喜ぶオルドネス。
「またこのグループと一緒に働き、ル・マン24時間に向けたプロジェクトに携わるのは素晴らしい気分だ。特にプロジェクトの最初から携われるんだから夢みたいだ。チームで力を合わせて、ZEOD RCのまったく新しい技術をトラック上で開発できるのを楽しみにしている」
また、ニッサンのグローバル・モータースポーツディレクターのダレン・コックスは、まったく新しいレーシングカーの開発にオルドネスの経験が役立つだろうと語っている。
「ルーカスはカートからジュニアフォーミュラを経るという、他のレーシングドライバーとは異なる過程でこの業界に入って来た。このキャリアは、まったく新しいニッサンZEOD RCの開発にはうってつけだと思う」とコックス。
「我々のゴールである“ル・マンをシビレさせる”は、モータースポーツの世界と市販車の世界を変える第一歩なんだ。ルーカスがこのプロセスにおいて、重要な役割を担ってくれて嬉しいよ」
ニッサンZEOD RCはオルドネスがステアリングを握り、来月にも最初のトラックテストを行う予定だという。
L. Ordonez becomes Test Driver for Nissan ZEOD RC