2011年F1第15戦日本GPは9日、鈴鹿サーキットで53周の決勝レースが行われ、マクラーレンのジェンソン・バトンが鮮やかな逆転劇で今季3勝目を挙げた。2年連続のワールドチャンピオンに王手をかけていたセバスチャン・ベッテルは3位に入り、見事タイトルを確定。日本期待の小林可夢偉(ザウバー)はスタートの失敗が響き、13位に終わった。
さわやかな秋晴れのもと、絶好のドライコンディションとなった決勝日の鈴鹿。レースは、ポールシッターのベッテルが、好スタートを見せた2番手バトンをペナルティ一スレスレの動きで抑えることに成功するが、対するバトンも序盤はチームメイトのルイス・ハミルトンに先行されながらも、その後に逆転し、トップのベッテルになんとか食らいついていった。一方、後続では、自己最高位の7番グリッドを得た可夢偉がスタートを完全に失敗し、12番手まで大きくポジションを落としてしまう。
レースは、20周前後に迎えた2回目のピットストップで、バトンとマクラーレンが2秒あった差を一気に逆転、1コーナーでトップに立った。すると、その数周後に4番手争いを繰り広げていたフェリペ・マッサとハミルトンがシケイン手前で接触。これでマッサのマシンの破片がコースに散乱したため、レースはセーフティカーが出動して再度仕切り直しとなってしまった。
28周目にレースは再開。先頭のバトンはここでもリードを守ると、2番手のベッテルは30周過ぎに先に3回目のピットインに動いて逆転を狙う。しかし、ここで運悪くトラフィックにつかまってしまい、逆に後ろを走っていたフェルナンド・アロンソにも先行を許してしまう。その後、レースは上位勢が3回目のピットストップを終え終盤の戦いへと移ると、トップを走るバトンは徐々に追い上げてきた後続のアロンソとベッテルの攻勢にさらされるも最後はなんとか逃げ切って、自身鈴鹿初となる今季3回目のトップチェッカーを受けた。
2位はアロンソ。優勝でのタイトル決定を目論んでいたベッテルは、それでも3位表彰台を手にし、2年連続のワールドチャンピオンを鈴鹿の大観衆の前で決めた。
可夢偉はスタートの失敗をなんとか挽回しようと、セーフティカー中のピットストップなどで一時トップ10圏内までポジションをアップ。ヘアピンでのオーバーテイクなど見せ場も披露したが、ライバルより少ない2回ストップ作戦により終盤はタイヤのグリップがもたず、残り10周をきって入賞圏外にドロップ。結局13位という結果で2度目の母国レースを終えることになった。