IZODインディカー・シリーズ第5戦・第96回インディアナポリス500マイルレースは20日、予選グリッドがすべて決定するバンプデーが行われ、33台のグリッドすべてが決定した。

 すでに19日までのポールデーに1〜24番手までのグリッドはすでに決定しており、このバンプデーに決まるのは9列目からの9グリッド。予選2日目にあたるバンプデーでいくら速いスピードを出しても、25番手以下のグリッドしか基本的に得ることはできない。それがインディ500独特の、そして伝統的ルールである。日付の早いうちにクオリファイすることを、スピード自体より重用する考え方、時間をかければかけただけ速くはなりやすいという考えに基づいている。

 バンプデーは正午の開始で、開始同時にシモーナ・デ・シルベストロ(ロータス・HVM)が214.393マイルをマーク。その後にはマイク・コンウェイ(AJフォイト)、セバスチャン・ブルデー(ドラゴン・レーシング)と予選アタックが続き、昨日クラッシュしたブライアン・クラウソン(サラ・フィッシャー・ハートマン)も午後1時過ぎに4周のアタックを安全に完了した。

 そして、同じく昨日アクシデントを起こしたエド・カーペンター(エド・カーペンター)が、一晩で用意してきたスペアカーで午後2時過ぎにアタックを実施。カーペンターの走行が完了したところで、33個のグリッドがすべて埋め尽くされることとなった。

 バンプデーの最速となったのはブルデーで、223.760マイルという素晴らしいスピードだった。昨日のポールデーでこのスピードなら15番手になれていたが、シボレーエンジン獲得まで長い時間がかかり、プラクティスをほとんど行えなかった状況を考えれば、ドラゴン・レーシングの進歩の度合いは非常に大きいと言えるだろう。

 ロータスエンジン勢の中で、注目を集めたジャン・アレジ(ファン・フォース ユナイテッド)だったが、出場33台の中で飛び抜けて遅い210.094マイルというスピードに留まり、最後尾の33番グリッドとなった。ロータスエンジンは予選用ブーストでもパワーが足りず、決勝でも予選と同じブーストで走ることを許されることになりそうだ。それでも恐らくロータス勢は6マイル以上遅くしか走れないとみられている。

 そんな状況ながらアレジは、「予選を通り、インディ500に出場できることになって嬉しい。今、本当にほっとしている」と笑顔をみせた。

「インディ500への挑戦は、自分にとって偉大な経験となっている。僕は47歳だけど、この1週間でF1で過ごした期間以上のことを学んだよ。もっと速く走れると思っていたんだけれど、僕らがプラクティスで到達したスピードが現時点では限界だと思う。レースでは、僕たちの置かれた状況で考え得るベストの結果を手に入れたい」とアレジ。

「もちろん、もっと競争力のある体制で戦いたい。来年は是非ともそうしたい」

 2012年のインディ500には、グリッド数と同じ33台しかマシンがエントリーされておらず、ホンダもシボレーももう供給するエンジンがない状態のため、バンプデーにバンプはひとつも起こらなかった。それは非常に残念なことだったが、新シャシーと新エンジンが導入されたばかりの年であることを考えれば致し方ないのかもしれない。来年の予選は、バンプ合戦も激しく繰り広げられることを期待したい。

 予選のアタックが終了した後は、すべてのエントラントに対してコースがオープンとされ、多くのマシンが決勝用のセッティングを行うために周回を重ねた。これでプラクティスは終了。日曜日に行われる決勝レース前にマシンを走らせることができるのは、金曜日のファイナル・プラクティスだけとなる。それまでにすべてのチームは、決勝を戦うためのフレッシュエンジンに積み替えることを許される。

2012 Indy 500 Day 2 Qualifiers

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