各チームが開幕3戦用PZEROタイヤをバルセロナでテスト
2011年3月7日、ミラノ
2011年シーズン開幕戦バーレーンGPの中止を受け、再びバルセロナにてテストが行われることになりました。
テスト期間は3月8日-12日の5日間となりますが、F1全12チームはチーム間で合意している延べ15日間というプレシーズンテストの日数制限に則り、各チーム最大4日間のテストとなります。
今回のバルセロナ・テストではオーストラリア、マレーシア、中国の開幕3戦用として使われるコンパウンド、つまりプライムタイヤのハード・コンパウンドとオプションタイヤのソフト・コンパウンドの最終テストに集中することになります。
ピレリは今回のテストのためにチームあたり35セット、合計1,680本を用意しました。その中には5セットのインターミディエイトと3セットのウェットタイヤも含まれています。これはバーレーンでテストされるはずであったインターミディエイト2セット、ウェットタイヤ3セットを超えるものです。
チームはシーズン中に実際にありえるコンディションに近い条件でテストが実施できるよう、前回とは違い温暖な気候となることを望んでいます。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「前回のバルセロナ・テストは朝の気温が6℃まで下がるなど低い気温であったため、コースにゴムが載らず、今シーズンの基本戦略を構築する上では役立ちませんでした。今週は暖かくなることを望んでいますが、どうやら開幕戦となるオーストラリアGPほど暖かくはならないようです。シーズン始めに使うコンパウンドは既にアナウンスされているのでほとんどのチームはハードとソフトのタイヤテストに集中すると思います。各チームにはロングランやレース・シミュレーションを行ってもらい、私たちのテストから導き出された推論(各レースで2-3回のピットストップがあること)を証明してくれることを期待しています」
PZeroハード・コンパウンドはパフォーマンスと信頼性において優れたバランスを提供するタイヤで、暖かいコンディションでのロングランで理想的なプライムタイヤチョイスとなります。PZeroソフト・コンパウンドはタイヤの温まりが早く、短期間であればハードよりも速く走行することができます。このタイヤは、ほとんどのF1レース開催時のコンディションである気温摂氏15℃以上の場合に最大限の実力を発揮するよう設計されています。
今回の各チームの優先事項は新しいPZeroとマシンのバランスを完璧にセットアップすることです。全ての後輪駆動車に当てはまることとして、フロントとリアのコンパウンドが同じでも、リアの方がトラクションを与えるためフロントより早く温まる現象が起こります。すると、フロントタイヤが適温になるまでバランスが変化しつづけることになりますのでドライバーとエンジニアはできる限りその変化に対応するセットアップを行わなければなりません。
この最終テストは2011年モデルの新車で行われるため、多くの意味のあるデータが得られる場となります。チームにとってはオーストラリアに向けたセッティングを決め、新しいパーツの実験を行う最後の機会となります。