フェラーリは、これまで時間をかけてさまざまな問題の解決にあたってきたため、2014年に向けてタイトルにチャレンジする環境が整ったと述べている。
2014年のF1レギュレーションが大きく変わることでチームの序列が変化する可能性があるが、それに加えてフェラーリ自体が長年抱えた問題に対処したとして、チームはポジティブな発言を行っている。
ここ数年、フェラーリはタイトル争いに絡みながらもことごとく敗れてきた。2013年は、シーズン序盤の強さを徐々に失い、後半戦では表彰台争いに加わることも難しい状態だった。
しかしフェラーリは数年にわたり、シミュレーターをはじめとするシミュレーション設備を大幅に強化し、エンジニアリングディレクターであるパット・フライは新たな作業プロセスを浸透させてきた。
昨年後半に加入したテクニカルディレクターのジェイムズ・アリソンは、フライの努力を称賛し、これからその成果が出てくるはずだと述べている。
「彼はフェラーリをトップで戦えるチームにするための手段とインフラを築き上げた」とアリソンは語った。
フェラーリが近年抱えていた大きな問題のひとつは、シーズン中に開発ペースを維持できないことだ。その原因のひとつは、風洞の相関精度がよくないために、アップデートを入れても実際にコース上で改善を見出すことができないことだった。
フェラーリは2012年、風洞をシャットダウンして本格的に問題解決にあたった。昨年秋に再稼動させたこの風洞が改善しているとすれば、チームにとって大きなメリットになる。
「フェラーリは風洞に莫大な投資をしてきた。喜ばしいことに、我々は今、アップグレードの成果を享受することができる」とアリソンは言う。
「今後数年のうちに非常にうまくいくようになるだろう」
2014年には新たに1.6リッターV6ターボエンジンが導入されるため、シーズンを予測するのが難しいといわれている。だがフェラーリのチームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリは、今年こそトップに立つため、全力で準備を行ったと述べた。
「チャンスが存在し、我々はそれを必ずつかまなければならない」とドメニカリ。
「我々は、すべての変化にベストな方法で対処できるよう、多数の装置や設備を向上させてきた」
「厳しいチャレンジであることは分かっているが、厳しいのは誰もが同じだ」
「多くを語ることなく事実に立ち向かうというのが、私のスタイルだ。だが我々チームのスタッフのスキルのレベルを証明するべき時が来たといえる」