イタリアの自動車部品メーカー、マニエッティ・マレリで技術責任者を務めるロベルト・ダーラは、F1の1000馬力化にはフォーミュラEの技術が役に立つ可能性があると考えている。
昨年のはじめから、1980年代のような馬力アップが今のF1で可能かどうか、調査が行われてきた。すでに将来的なF1エンジンの1000馬力化については協議が始まっており、各メーカーはエンジン面のリスクをカバーする案を1月15日(金)までにFIAに提出することになっている。
マニエッティ・マレリで、2016年からF1の事故調査をサポートするハイスピードカメラの開発に携わっているダーラは、今後フォーミュラEの技術をF1のパワー向上に応用できるのではないかと考えている。
3シーズン目を迎えるフォーミュラEでは、少なくとも2チームがモーターを製造する予定で、同社はその分野での経験も有している。
「我々はフォーミュラEのマシンに300kwの電気モーターを搭載するというハイテク・レース・ソリューションの挑戦に取り組んでいる」とダーラ。
「将来的に、F1が1000馬力のエンジンパワーを求めるのであれば、より大きなモーターとERS、そして今のようなわずか120kwのものではなく300kwのものが必要になるだろう」
「持続可能な環境において技術的な見解からベストな開発をするという、我々の維持するフォーミュラEへのアプローチを考慮すれば、そのふたつのエリアはそれほど遠いものではなくなる」
「フォーミュラEで用いられているソリューションが、将来的なF1の方向性の手助けになってくれると信じている」
「フォーミュラEはF1以上に車体の電圧や装置などの電気構造を再定義する可能性を与えてくれるんだ」
「もちろんF1もこういった経験を応用していけると思うし、遅かれ早かれ、油圧系はF1カーから消えるのは確かだ」
「我々がフォーミュラEで学んでいることが、モーターだけでなく車体の電気的な構造全体にも利用されることになるだろうね」